アルバイトやパート人材は入れ替わりが激しく、1年中採用活動をしていても「人が足りない」「もっと人を増やしたい…!」とお悩みの採用担当者様も多いかと思います。

最近は新しい採用手法の一つとして、「ソーシャルリクルーティング」というSNSを活用した採用活動が注目を浴びており、力を入れる企業が増えてきています。このソーシャルリクルーティングはアルバイト・パート人材の獲得にも活用できますので、これからソーシャルリクルーティングをはじめる方の手助けとなるように、メリット・デメリットなどの基本的な情報や、目的に合わせた各SNSの選び方、注意点などをまとめました。

ソーシャルリクルーティングとは?

ソーシャルリクルーティングは、SNS(Social Networking Service)を使った採用活動のことで、特徴として求職者からの応募をただ待つのではなく、企業側から求職者へアプローチが能動的に実践できることが挙げられます。

SNSの利用者数は年々増え続けており、2020年の「通信利用動向調査(総務省)」では全国の回答者全体の73.8%、20代では90%がSNSを利用していて、現在ではさらに多くの人が利用していると考えられます。

ソーシャルネットワーキングサービスの利用動向(個人)

出典:総務省『通信利用動向調査』
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/data/210618_1.pdf

同年の「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査(総務省)」では、40代を境にテレビとインターネットの利用時間が入れ替わり、30代以下ではテレビよりもインターネットを使っている時間のほうが長いこと、さらにインターネットでの項目別では、20代・30代はソーシャルメディアの利用時間が最も長いことがわかります。

【令和2年度】主なメディアの平均利用時間(全年代・年齢別)[平日]

【令和2年度】インターネット利用項目別の平均利用時間(全年代・年代別)[平日]

出典:総務省『情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査』
https://www.soumu.go.jp/main_content/000765258.pdf

若い世代をターゲットにした採用活動としてソーシャルリクルーティングを取り入れる企業が増えているのは、このような背景があるからと考えられます。

アルバイト・パート採用に有効な理由は?

アルバイト・パートなどの非正規雇用の求職者が求める条件として、「時間の融通がきくこと」や「時給や交通費などの給与面」が上位となっていますが、その反面、入社後1ヶ月以内の早期退職理由では「職場の雰囲気が良くなかった/自分に合わなかった」「想定していた仕事内容ではなかった」「想定よりも仕事がきつかった」が4割前後と特に高くなっています。

早期離職要因
早期離職:引越し等のやむを得ない状況は含まず、就業当初は長期勤務予定だったアルバイトを【1ヶ月以内】に辞めることとする。

出典:マイナビ『フリーターの意識・就労実態調査(2020年)』
https://career-research.mynavi.jp/wp-content/uploads/2020/08/2020_freeter-baito.pdf

つまり、採用担当者が頭を悩ませているアルバイト・パートの早期退職については、求職者が応募時に思い描いていたイメージと実際の職場環境の“ミスマッチ“が大きな原因の1つだと考えられます。そのため、面接の短い時間だけでなく、企業と求職者双方があらかじめ”素“に近い情報を見ておくことができ、採用前でもコミュニケーションをとることができるSNSなら、このようなミスマッチと早期退職を防ぐ効果が期待できます。

ソーシャルリクルーティングのメリット

さまざまな採用手法があるなかで、ソーシャルリクルーティングのメリットについて紹介します。

会社のありのままの雰囲気を伝えられる

SNSが一般的な求人媒体(求人広告会社のWEBサイトや情報誌)より優れているのは、リアルタイムで手軽に写真や動画をアップすることができる点です。応募前に社内のリアルな雰囲気を見ることができれば、どのような環境で働くことになるかを自分で想像しやすく、安心して応募できます。

投稿の際に重要なのは、できるだけ『そのままの姿』を伝えることです。飾らずに、実際の姿とかけ離れた内容とならないように注意しましょう。作りこみすぎたコンテンツだけを投稿していると「イメージと違った」とミスマッチにつながり、せっかく採用した人材をすぐに手放すことになってしまうかもしれません。

企業側からアクションを起こせる

一般的な求人媒体やハローワークは応募を「待つ」受動的な運用しかできませんが、SNS を活用すれば候補者を積極的に探してアプローチし、スカウトすることができます。獲得したい人物像が明確であれば、人物像に合わせたキーワードで投稿やプロフィールを検索し、これだ!と思う人がいればスカウトメッセージを送ることもできるのです。

ただスカウトを受ける側からすれば、つながりのない企業から突然連絡がくるわけですから、メッセージには返信をもらうための「工夫」が必要です。明らかにコピー&ペーストとわかるようなものではなく、当人のこれまでの投稿なども参考にしながら、個人を尊重した“刺さる”メッセージを送れるように心がけましょう。

採用市場にいない人材にもアプローチできる

能動的な採用活動が可能なソーシャルリクルーティングでは、採用候補の対象はリアルタイムで仕事を探している求職者だけでなく、SNS上のすべての人にまで広がります。ただし、優秀と思われる人材は他からもたくさんのオファーを受けている可能性が高いので、スカウトメッセージはより慎重に作成して送るようにしましょう。

採用費を抑えられる

アルバイト・パートの一般的な求人媒体を利用した場合の費用は、低価格なプランでも1ヶ月7〜8万円が相場と言われており、1年間通して掲載した場合は100万円ほどの費用がかかることになります。対して、SNSはほとんどのサービスが無料で使えますので、うまく採用活動ができれば圧倒的に費用を抑えられます。

ただ、SNSの場合は更新頻度や投稿コンテンツの内容が充実していないとなかなか採用にまでたどり着かず、「従来の業務の片手間にやれば大丈夫」といえるほどお手軽なものではありません。専門の担当者を配置する人件費、コンテンツ制作にかかる経費、などの費用が継続的にかかる部分も考慮する必要がありますので、目標やコンセプト、予算などを社内でしっかり確認しながら運用をおこなっていきましょう。

ソーシャルリクルーティングのデメリット

中長期的な運用が必要

ソーシャルリクルーティングを始める前に最も理解しておかないといけないデメリットが、この中長期的な運用の必要性です。

一般的な求人媒体は掲載から1〜2週間で結果が出始めますが、ソーシャルリクルーティングでは半年や1年ではまったく成果が出ないこともあります。担当者も最初は楽しく取り組んでいても、成果の見えない期間が長くなると、モチベーションも下がってしまうかもしれません。

達成可能な短期目標を設定するなどして運用面でのモチベーションを維持する方法を考えたり、成果を得るには時間がかかる旨を事前にしっかり理解し、周囲にも理解を得たうえで、覚悟を持って取り組むことが大切です。

発信内容の統一が難しい

既存の求人広告や自社webサイトの求人ページなど複数の求人チャネルがある場合、チャネルによって発信内容がバラバラになってしまっては、求職者が不安を感じてしまうかもしれません。

時給などの条件面だけでなく、写真の雰囲気やブランディングに関わる内容も含め、元となる原稿を細かく作り込んでからスタートする必要があります。

情報漏洩のリスク

基本的なことですが、情報漏洩、とりわけ個人情報の流出は会社の致命的なイメージダウンに直結しますので、絶対に避けなければなりません。人的ミスの対策ももちろんですが、SNSを利用する場合はアカウントの乗っ取りなどへの対策も必要です。

電話番号など覚えやすいパスワードを使い回さない、サービスごとにパスワードを変える、ログイン情報は必要最低限の範囲でのみ共有するなど、できる対策は必ずしておきましょう。Google ChromeやMicrosoft Edge、Safariといった主要なブラウザには「強固なパスワードを自動生成する機能」「パスワードを保存する機能」が搭載されているので、こちらの活用もおすすめします。

SNSはプラス面もマイナス面も、意図していない速度で拡散されてしまいます。「ソーシャルリクルーティングなんか、やらないほうがよかった…」と後悔してしまうような状態にならないためにも、細心の注意を払って運用しましょう。

炎上のリスク

ソーシャルリクルーティングにとどまらず、企業のSNS活用には、常に炎上のリスクが付きまといます。時時刻刻と変化する「炎上トレンド」まで存在し、もはや何が炎上するのかわからない怖さがありますが、明確に「炎上しやすい」とされる話題があることも事実です。企業イメージを損なう「炎上」を回避するなら、このようなテーマに絡む投稿は避けたほうが無難でしょう。

炎上しやすいテーマ
  • 性別やジェンダー・年齢・国籍・出身地など差別が想起されやすいもの
  • 政治・特定のスポーツチーム・新型コロナ感染症など個人で意見や見解が異なるもの
  • 第三者のプライバシーに関わるもの
  • 勤務時間外と思われる時間の投稿など、その企業での「働き方」が問題視されかねないもの

SNS運用に関わる担当者は、誰でも1度は「ただ情報を発信するだけではダメだ」「フォロワーが増えない」と悩むことになり、「もっと砕いた表現で発信し、人柄が見えるような投稿もしてみよう」というような考えにたどり着くことがあります。いわゆる”中の人“の人柄が見える投稿は効果的なSNS戦略の一つといえますが、担当者の独断での発言を許してしまうことにもつながり「気付いたら炎上していた」といったような事態も起こりかねません。

また炎上の原因にSNS自体のポリシー違反が含まれてしまっていた場合、長く育ててきたアカウントが削除されてしまう状況も考えられます。すべてを運用担当者に丸投げせず、投稿を適切に監視できる体制を整えるほか、チーム全体でのコンプライアンス研修、利用するSNSのサービスポリシーの確認も十分におこなっておきましょう。

代表的なSNSの特徴

SNSはサービスごとに利用者の年齢層などの特徴がありますので、ソーシャルリクルーティングをどう運用していくかなどの戦略に合わせた選択をする必要があります。

Twitter

国内月間アクティブユーザー数4,500万人2017年10月時点
参照:https://find-model.jp/insta-lab/sns-users/
参照:https://www.soumu.go.jp/main_content/000765135.pdf

「バズりやすい」SNS

Twitterは10代20代を中心に幅広い層が利用しているSNSです。

気に入った投稿(ツイート)を自分の投稿欄に表示できるリツイートの機能があり、情報拡散力の高さが特徴です。「炎上」も多くみられるSNSなので、コンプライアンス管理を徹底しましょう。

情報発信だけでなく、最新ニュースや新商品の口コミなど、気になる情報を探す目的で使われることも多いです。

1日複数回の投稿が理想

サービス内で交わされる情報・投稿の数が非常に多いため1日1回の投稿では人目につきにくく、更新頻度は「1日5回以上」など高めに設定する必要があります。投稿内容も、読者が拡散したくなるようなリツイートキャンペーンを用意したり、友達に教えてあげたくなるような情報を意識することが大切です。

文字数が少ない

1投稿あたり140文字、と短い文字数制限があるので、1投稿内で求人情報の詳細を伝え切ることは難しいかもしれません。複数投稿に分けたり、外部の採用ページへ誘導しながら、読者を離脱させない工夫が必要になります。

Facebook

国内月間アクティブユーザー数2,600万人2019年7月時点
参照:https://find-model.jp/insta-lab/sns-users/
参照:https://www.soumu.go.jp/main_content/000765135.pdf

若年層の利用率が低い

実名登録が必須なFacebookは、面識のある知人やビジネスパートナーとの情報交換として使われることが多いSNSです。60代の利用率が他のSNSと比べると高く、10代・20代の利用率が低いため、アルバイトの採用というより、ある程度の経験や技術を必要とする求人の方が向いている印象です。

複数担当者でも運用しやすい「ビジネスページ」

他のSNSと同様に動画や画像も投稿でき、文字数制限も1投稿あたり6万文字と圧倒的に多いので、求人情報も詳細な部分まで1投稿にまとめて掲載できます。また、個人単位のアカウントとは別に、会社の情報を自由に掲載できるホームページのような「ビジネスページ」をFacebook内に無料で作成できます。既存の個人アカウントをあとから管理者として追加・削除できるため、担当者が交代したり、複数いる場合でも共同で運用できます。

管理ツールはInstagramと共通

2021年10月に社名が「Facebook」から「Meta」に変更され、管理ツールの名称は『Meta Business Suite』になりました。同社が運営するInstagramと共通のツールなので、一緒に管理できるようになっています。

Instagram

国内月間アクティブユーザー数3,300万人2019年6月時点
参照:https://find-model.jp/insta-lab/sns-users/
参照:https://www.soumu.go.jp/main_content/000765135.pdf

利用者は女性が多め

写真や動画のような視覚的な情報に特化した発信ができるSNSです。利用者率は10代から30代が多く、視覚的なコンテンツが多いことから女性の利用者の方が多いです。ファン形成や知名度向上を主な狙いとし、採用活動にも部分的に活用するような企業が多いようです。

利用男女比参照:https://about.fb.com/ja/news/2019/06/japan_maaupdate-2/

投稿形式を使い分けよう

無期限で静止画や短い動画が投稿できる通常投稿「フィード」、24時間限定で掲載される「ストーリーズ」、フォロワー以外のユーザーにも発見されやすい「リール」などを使い分けて運用します。

視覚に訴える工夫を

1投稿あたり2,200文字と使える文字数は多いですが、「続きを読む」ボタンを押していない状態では2行程度しか表示されないため、視覚情報で興味を引けるよう、投稿に工夫が必要です。

TikTok

国内月間アクティブユーザー数1,690万人2021年10月時点
参照:https://find-model.jp/insta-lab/sns-users/
参照:https://www.soumu.go.jp/main_content/000765135.pdf

ショート動画に特化したSNS

15秒~3分のショート動画がメインの比較的新しいSNSで、採用目的でも少しずつ使われ始めています。簡単に動画作成ができるような機能が搭載されており、ショート動画は他のSNSでも投稿できるようになってきているため、TikTokで作った動画を他のSNSで使用することも多いようです。

フォロワーが少なくても効果アリ

フォロワーのビデオを見に行く、というよりは次々と流れてくる「おすすめ」を見るような使い方が多いため、フォロワーが少ない状態でも投稿動画を再生・視聴してもらえる可能性があります。利用年齢層に特徴があり、30代以上にはあまり浸透していませんが、10代の利用率は圧倒的に高く、他のSNSと比べるとかなり差があります。ターゲットが10〜20代なら、フォロワーが少ない段階から増えた後まで大いに活用できそうです。

流行第一だが意識しすぎに注意

音楽や動画の作り方について流行の移り変わりが激しく、トレンドを抑えた発信が求められる一方、流行を意識しすぎて演出が過剰になってしまっては採用後のミスマッチにつながりますので、程よいバランスを見極めていきましょう。拡散率が高い、ということは炎上リスクが高いことの裏返しといえますので、楽しい雰囲気の動画でも、投稿内容には細心の注意を払うことをお勧めします。

LINE

国内月間アクティブユーザー数8,900万人2021年8月時点
参照:https://find-model.jp/insta-lab/sns-users/
参照:https://www.soumu.go.jp/main_content/000765135.pdf

利用率の高さは随一

1対1またはグループでのチャット機能がメインのサービスです。日本で最も利用されているSNSで、利用率は全年代合計で90%以上、年齢を問わず多くの人が使っています。

主な用途は「ファンとの交流」

未知のユーザー(潜在層)にアプローチしてファンを作る、というよりは、すでに獲得したファン(顕在層)を対象に「質問を受ける」「応募をうける」といったコミュニケーションを取るのに向いています。「友だち」に投稿を表示するVOOM(旧タイムライン)では、距離感を縮められるようなコンテンツ作りを意識しましょう。情報拡散や新たなファンの獲得を狙うなら「シェアしてくれたら○○プレゼント」といったシェア特典付きの投稿を用意すれば、広告的な運用もできます。

 まずは「友だち」の獲得から

応募を受けるにもシェアを促すにも、まずは「友だち登録」してもらうことが前提となります。まずは別のSNSも活用して「友だち」を増やすところから始めましょう。

YouTube

国内月間アクティブユーザー数6,500万人2020年09月時点
https://find-model.jp/insta-lab/sns-users/
参照:https://www.soumu.go.jp/main_content/000765135.pdf

言わずと知れた動画配信サービス

動画を使った情報発信に特化したSNSで、日本ではLINEに次ぐ高い利用率を誇っています。利用者の年齢層も幅広く、あらゆるターゲットの採用に活用できそうです。

動画ならではの情報量

動画のメリットは何と言ってもその情報量で、投稿できる動画は1投稿あたり最長12時間(アカウントによって異なる場合あり)。文章やショート動画より多く、リアルな情報を発信できるため、業務内容や自社サービスについての理解を深めてもらうことができます。他のSNSにYoutubeの動画リンクを貼るような使い方もできますし、YouTube単体でファン形成や知名度向上につなげることも可能です。

相応の手間や工夫は必要

動画作成には金銭的・時間的なコストがかかります。せっかく力を入れて長い動画を作っても、最後まで観てもらえなければ全ての情報を届けられないため、ターゲットに最後まで飽きずに観てもらえるような工夫も必要になります。全てのSNSに共通することですが、あらかじめ細かなターゲット設定も済ませておきましょう

運用を始める前に準備すべきこと

ソーシャルリクルーティングを始めるだけなら特に難しいことはありませんが、それだけでは「時間をかけて運用したけどまったく結果が出ない」ということにもなりかねません。

そうならないために、事前にしっかり計画を立ててから始める必要があります。

目的を決める

  • 会社の知名度を上げる
  • 「会社を知ってくれている人」を「会社のファン」にする(ファンの形成)
  • 採用の潜在候補者(母集団)の人数を増やす
  • 母集団の質を上げる

など目的を決定することで

  • 目的と相性の良いSNSでフォロワー数を増やす
  • 採用ページの表示回数を増やす

といった、より具体的な数値目標を設定できます。

例えばソーシャルリクルーティングを始める背景が「10代アルバイト採用のミスマッチ」なのであれば、「母集団の質を上げる」ことを目的として、10代の利用が多く職場の雰囲気を視覚的に配信しやすい『Instagramでのフォロワー数〇〇人!!』というような目標が設定できます。

ターゲットを決める

会社の公式アカウントだから、と無難な言葉を選んだ無難な投稿になってしまうと、たくさんの情報が飛び交うSNSでは言葉が届きづらく、結果につながりにくくなります。どんな人材を採用したいのか、明確に想像しながら投稿するだけでも、口調や言葉選びは変わってくるものです。職種や雇用条件だけでなく、「元気な人」「誠実な人」「笑顔が素敵な人」など何でも良いので、できるだけ具体的な人物像を思い浮かべてみましょう。

さらに読者に「自分あての情報だ」と感じてもらうためには、よりはっきりしたイメージが必要となります。SNSに触れるのはどんなタイミングか、場所はどこなのか、休日は何をして過ごしているか、などできる限り鮮明にイメージして、投稿のトーンや時間帯なども工夫してみましょう。

運用ルールを決める

会社の名前すら聞いたことがない人に、潜在層を経て、実際の採用候補となってもらうまでには、さまざま会社の名前すら聞いたことがない人に、潜在層を経て、実際の採用候補となってもらうまでには、さまざまなフェーズをクリアしなければなりません

SNSの投稿に興味を持ってくれた人に、どのようなアクションをとって欲しいのかを具体的に想定し、「どの道を通り、最終的にどこにたどり着いて欲しいか」=読者の動線を決めておきましょう。

例えば「投稿からのアクション」は

  • プロフィールページの閲覧
  • シェア(リツイート)
  • コメント
  • 外部リンクのクリック(タップ)

などの種類があり、求めるアクションに合わせた工夫が必要になってきます。

獲得したい
アクション
投稿内容
プロフィールページいつも〇〇の投稿をしています!
※アカウントでいつもどんな投稿をしているかを伝えることで、
プロフィールページから他の投稿を見に来てもらえます。
シェアお得な情報なので友達にも教えてあげてください!
リツイート数△△達成で〇〇します!
※シェアをすることでシェアした人も教えてあげたと思えるような投稿をすると効果的です。
また費用がかかりますがシェアしてくれたユーザーを対象におこなう
プレゼントキャンペーンもよく実施されています。
コメント〇〇をおしえてください!
※コメント内に何を書けばいいかを提示してあげることでコメントをしやすくなります。

極端な例ですが、SNSごとの強みをフルに活かして時間をかけて関係を築きたいという理由から、フェーズごとにSNSを使い分けて定着率を向上させた企業もあったり、逆にSNSをまたいでリンクさせるのが非効率だという理由で、SNSを1つに絞ってファンを形成しコメント欄で応募を受け付けて母集団を増やした例もあります。

実際に自社でどのような運用をしていくか、担当者や企業の個性も活かしながら、情報収集し、アイデアやセンスをフルに活用して、思い切って試行錯誤していきましょう。

SNSアカウントを作成する

目的が決まり、ターゲットとSNSが決まったら、アカウントを作成しましょう。解析ツールや検証ツールは設定完了前の投稿は計測・集計対象外となってしまう場合がありますので、必要な設定は必ずすべて終わらせてから、プロフィール作成や投稿を開始します。

ソーシャルリクルーティングの活用事例

スターバックス コーヒー ジャパン 株式会社

参照:https://ja-jp.facebook.com/starbuckspartners/

スターバックス社は、ソーシャルリクルーティングをうまく使っている代表例としてよく名前が挙がる企業で、Facebookで「Starbucks Partners」というページを開設しています。

従業員を「パートナー」と呼び、「Starbucks Partners」では世界各地のパートナーのストーリーが本人の言葉で投稿されています。企業と従業員が良好な関係であることがよく伝わってくる作りになっていて、「自分も仲間に入りたい」と思わせるようなページになっています。現在ではInstagramでも同様のページが運営されています。

株式会社スタッフサービス

参照:https://twitter.com/ssg_pr

スタッフサービスは「オー人事オー人事」のCMで有名な人材派遣会社です。個性のある担当スタッフがイラストなどをうまく使って日常の出来事を赤裸々に投稿していて、企業アカウントであることを忘れて、親近感をもって楽しく読むことができます。

くだけた運用方法としてとても参考になります。おもしろいスタッフが身近にいるなら、思い切って、スタッフサービスのようなアカウントを作ってみても良いかもしれません。

株式会社西松屋チェーン

参照:https://www.instagram.com/nishimatsuya_saiyo/

西松屋はベビー・子供用品で有名なアパレルメーカーで、パートアルバイト用のアカウントをInstagramに開設しています。Q&Aやランキング形式を使って「働き初めてから」をイメージしやすいように作られています。

写真やイラストも柔らかい印象で、会社を身近に感じさせてくれる工夫が詰まったアカウントになっていますので、これからソーシャルリクルーティングを始めるならぜひ参考にしてみてください。

まとめ

いかがでしたか?

これからソーシャルリクルーティングを始める方の手助けとなるように、メリット・デメリットなどの基本的な情報や、目的に合わせた各SNSの選び方、注意点などをまとめました。

当たり前ですが「誰もがこうすれば成功する」といったわかりやすい正解はなく、企業や担当者の強みや個性を活かした運用が必要です。

また、成果は必ずしも「採用人数」だけではありません。SNSでの活動や投稿を通じて読者が会社の「ファン」になってくれることがあり「いつかこの会社で働きたい」「チャンスがあればこの人たちと働きたい」と思ってくれるような読者を獲得できれば、継続的で意欲的な人材獲得につながりますので、ぜひ前向きに取り組んでみましょう。