アルバイトの入社時に必要な書類を網羅して知りたい。

この記事は上記のような思いを持たれている方に向けて、法的に必要な書類や手続き上必要な書類をまとめて紹介していきます。

高校生・外国人アルバイトに必要な書類や、雇用契約書で労働条件通知書を兼ねる方法なども解説していますので、ぜひご一読ください。

アルバイト入社時に法的に必要な書類

まずはアルバイトが入社する際、法的に必要となる書類について3つのカテゴリに分けて解説していきます。

必要な書類①:雇用関連の書類

一つ目のカテゴリは雇用関連の書類です。このカテゴリに属する書類は労働条件通知書となっています。

雇用契約書が必要であると考えている方も多いかもしれませんが、法的に必要とされているのは労働条件通知書です。

労働条件通知書の項目や雇用契約書で兼ねる方法などについては後ほど解説します。

必要な書類②:社会保険関連の書類

二つ目のカテゴリは社会保険関連の書類です。このカテゴリに含まれるのは以下の4点となります。

マイナンバー

社会保険関連の書類として、まず挙げられるのはマイナンバーです。

雇用保険や健康保険、厚生年金などの手続きにはマイナンバーが共通して必要となるため、提出してもらう必要があります。

年金手帳

続いてご紹介するのは年金手帳です。社会保険に加入する際、基礎年金番号が必要となるため、年金手帳も提出してもらうことになります。

年金手帳が無いというアルバイトの場合でも、基礎年金番号さえ確認できれば手続きが可能であるため、番号だけでもわからないか確認してみましょう。

雇用保険被保険者証

社会保険関連の必要書類として次に紹介するのは、雇用保険被保険者証です。

雇用保険加入の手続きには雇用保険被保険者証が必要ですが、実際に必要となるのは被保険者番号となりますので、年金手帳と同じく番号さえ確認できれば問題ありません。

健康保険被扶養者(異動)届け

社会保険関連の最後にご紹介する必要書類は、健康保険被扶養者(異動)届けです。

雇用するアルバイトが配偶者や子供を扶養に入れることを希望した場合に、提出してもらう必要があります。

必要な書類③:税務関連の書類

三つ目のカテゴリは税務関連の必要書類です。このカテゴリに含まれているのは以下の3つの書類となります。

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書

税務関連の必要書類としてまずご紹介するのは、給与所得者の扶養控除等(異動)申告書です。

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書は、年末調整を行う全従業員が対象となる書類であるため、アルバイトにも提出してもらう必要があります。

源泉徴収票

続いてご紹介するのは源泉徴収票です。先の扶養控除等(異動)申告書と同じく年末調整に必要となります。

同年に別の職場で働いていた人材をアルバイトとして雇用する場合、前の職場から交付された源泉徴収票を提出してもらいましょう。

特別徴収への切り替え申請書

税務関連書類の最後にご紹介するのは、特別徴収への切り替え申請書です。

雇用したアルバイトが住民税に関して普通徴収ではなく特別徴収を希望する場合、特別徴収への切り替え申請書を提出してもらわなければなりません。

アルバイト入社時に手続き上必要になる書類

ここからは法的に必要ではないものの、企業側の手続きで必要になることが多い書類について確認していきます。

雇用契約書

まず挙げられるのは雇用契約書です。本来雇用時に必要になるのは労働条件通知書ですが、多くの企業は雇用契約書を交わしています。

その場合、雇用契約書にいくつかの項目を追加して、労働条件通知書を兼ねているケースが多くなるでしょう。

どういった項目を追加するのかについては、後ほどお伝えします。

待遇差に関する説明書

現在は同一労働・同一賃金が導入されているため、原則正規雇用労働者とアルバイトを含む非正規雇用労働者との間で、不合理な待遇差は禁止されています。

そのためアルバイトを雇用する際に待遇差がある場合、その理由を合理的に説明できる書類も用意しなければなりません。

入社誓約書

続いてご紹介するのは入社誓約書です。入社誓約書は、就業規則などを守ることに対して同意してもらうための書類となります。

必ずしも提出してもらう必要はありませんが、就業後のトラブル防止のためにも手配する方が安心でしょう。

秘密保持誓約書

次にご紹介するのは秘密保持誓約書です。企業機密や顧客に関する情報などの流出を防ぐために提出してもらう書類となります。

昨今SNS上での流出リスクもあるため、個人情報を扱うような業務にアルバイトを採用する場合は、必須書類と言えるでしょう。

給与振替口座の登録申請書

給与振替口座の登録申請書も必要になるケースがあります。こちらは給与振り込み時に活用する銀行口座番号などの情報を記載してもらう書類です。

給与を現金手渡しする場合は必要ありませんが、本人希望を受けて銀行口座への振り込みで支払う場合は、提出してもらいましょう。

交通費・通勤経路に関する申請書

続いて紹介する書類は交通費・通勤経路に関する申請書です。

アルバイトに対して交通費を支給する場合、通勤時に使う交通機関と経路、必要な交通費を把握するためにも提出してもらいましょう。

住民票記載事項証明書

次に紹介するのは住民票記載事項証明書です。ここでは本籍地の記載がないものを提出してもらうことになります。

住民票記載事項証明書は交通費支給のための現住所確認に必要であり、もし交通費支給をしない場合は、特に必要ありません。

身元保証書

学生などの未成年者をアルバイトとして雇用する際は、身元保証書も提出してもらう方が安心と言えます。

身元保証書はトラブルがあった際に本人以外の連絡先を把握するために必要となるため、身元保証人の氏名や住所、連絡先といった情報を記載してもらいましょう。

健康診断書

念のためアルバイトにも健康診断書について提出を求めるケースがあります。

健康であることを確認しておくことは勿論、持病などを持っているかを把握することで、あらかじめ対処の方法を考えておけたり、シフトの融通を利かせたりもできるでしょう。

免許・資格に関する証明書

最後にご紹介するのは免許・資格に関する証明書です。アルバイトと言っても、車を運転する必要があるなど、特定の免許や資格が必須条件となっているケースもあるでしょう。

その場合は該当する資格を持っていることを証明する書類が必要になります。

高校生・外国人アルバイトの入社時に必要な書類

ここまでアルバイトの入社時に必要な書類について確認いただきましたが、高校生や外国人をアルバイトとして雇用する場合、別途必要な書類があります。

そこでここからは高校生と外国人のアルバイトが入社する際に必要な書類について、解説していきます。

高校生アルバイトの入社時に必要な書類

まずは高校生アルバイトの入社時に必要な書類からご紹介します。

住民票記載事項証明書もしくは戸籍証明書

高校生のような未成年者をアルバイトとして雇用する場合、年齢を確認するために住民票記載事項証明書か、戸籍証明書を提出してもらう必要があります。

保護者の同意書

また高校生が契約などの法律行為を行う場合、法定代理人の同意を得る必要があります。

そのため高校生アルバイトに入社してもらう場合は、法定代理人である保護者の同意書を提出してもらいましょう。

外国人アルバイトの入社時に必要な書類

次に外国人アルバイトの入社時に必要な書類を確認していきましょう。

在留カード

外国人アルバイトの雇用に際しては、在留カードの確認が必須となります。

正規の手続きを経て滞在しているかを確認することは勿論、どういった業務に従事できるかの確認にも必要となるため、必ずチェックしましょう。

資格外活動許可書

留学生をアルバイトとして雇用する場合は、在留カードと合わせて資格外活動許可書も確認しなければなりません。

資格外活動許可を得ていない留学生は雇用することができませんので、注意しましょう。

【補足】雇用契約書で労働条件通知書を兼ねるには

最後に雇用契約書で労働条件通知書を兼ねる方法について解説していきます。

労働条件通知書に必要な項目とは

そもそも労働条件通知書に必要な項目について、ここで確認しておきましょう。

労働条件通知書に記載すべき項目には、必ず書面(労働者が希望した場合はFAX・メールも可)で明示すべき「絶対的明示記載事項」と、該当事項がある場合に明示する「相対的明示記載事項」があります。

それぞれに含まれる項目は以下の通りです。

絶対的明示記載事項

  • 契約期間
  • 期間の定めのある契約の場合、更新の基準に関する事項
  • 就業場所と従事する業務に関する事項
  • 始業及び就業の時間、所定労働時間を超える労働の有無
  • 休憩時間や休日など
  • 賃金の計算、支払い方法、賃金の締め切りや支払時期など
  • 退職や解雇事由に関する事項

相対的明示記載事項

  • 昇給に関すること
  • 退職手当の定めが適用される労働者の範囲や退職手当の決定など
  • 臨時に支払われる賃金や賞与などに関する事項
  • 食費や作業用品に関する事項
  • 安全衛生に関する事項
  • 職業訓練に関する事項
  • 災害補償及び業務外の疾病扶助に関する事項
  • 表彰及び制裁に関する事項
  • 休職に関する事項

労働条件通知書を兼ねる際に必要な項目

雇用契約書で労働条件通知書を兼ねる場合は、先述の絶対的明示記載事項と該当する相対的明示記載事項を含めることに加えて、以下のような項目を盛り込むと良いでしょう。

  • 社会保険加入に関する事項
  • 社会保険以外の福利厚生制度に関する事項
  • 秘密保持義務

就業開始後のトラブルを防ぐためにも、上記を盛り込んだ労働条件通知書兼雇用契約書は2部発行して、雇用主側とアルバイト側で一部ずつ保管しておくことをおすすめします。

まとめ

今回はアルバイトの入社時に必要な書類をテーマに解説してきましたが、いかがでしたか。

法的に必要であると定められている書類は意外にもそこまで多くありませんが、それだけでは入社時に必要な情報は揃えることができません。

そのため手続き上必要な書類の方が実質的に多くなっています。

また外国人や高校生をアルバイトとして雇用する場合は、別途必要な書類が出てくるため、雇用対象によっても必要書類が変わってくることを理解しておく必要があるでしょう。

ぜひこの記事を参考にしながら、アルバイトの入社手続きを進めていただければ幸いです。

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