手軽に使えるからといって、個人で利用しているSNSやチャットアプリをそのまま業務で利用してしまってはいませんか?

もし、個人アカウントのSNSの業務利用でトラブルが発生してしまった場合、会社として適切な対処が取れない可能性が高いです。

とはいえ、画像送信やグループチャットなど十分な機能があり、プライベートでも慣れ親しんでいる便利さから、ついついそのまま従業員に個人用SNSの業務利用を認めてしまっている企業も多いかと思います。

そこで今回は、個人SNSの業務利用に潜むリスクについてまとめました。

チャットツールのビジネス需要

これまで業務の連絡といえば電話とメールが主流でした。

スマートフォンの普及にともない、手軽に連絡できるツールとしてチャットが加わりはじめ、近年のコロナ禍によるリモートワークの広がりの影響もあってさらに需要は加速し、現在では電話、メール、チャットを使い分けながら業務をおこなうのが当たり前になりつつあります。

個人SNSの業務利用で考えられるリスク

チャットの業務利用が高まるなか聞こえてくるのは、個人アカウントのSNSやチャットを業務利用したことで起こったトラブルと、そのトラブルに企業として十分に対処できなかったという声です。

どのような状況が考えられるのか見ていきましょう。

いつか必ず起きる!宛先間違い(誤送信)

想定とは違う相手にメッセージを送ってしまったという人的ミスはよく聞くトラブルの一つです。

恋人に送るハズのメッセージを友達に送ってしまった…!という間違いであれば、恥ずかしい笑い話として終わるだけですが、これがもし業務連絡の誤送信だったとしたらどうでしょうか?

万が一、個人情報が載っていたり、自社や取引先の機密情報が載っていた場合、取り返しがつかない事態に発展します。

毎日休みなくさまざまな人と何十回、多い人だと何百回単位でやりとりをおこなっているわけですから、今までは大丈夫でも「いつかはミスが起きる」と考えるほうが自然です。

情報漏洩や不正持ち出し

個人アカウントの管理やセキュリティ対策は、セキュリティ意識自体に個人差があるため、不十分な場合がほとんどです。

もしセキュリティ意識の低い従業員が業務利用している個人アカウントを乗っ取られてしまった場合、「不正ログイン」や「なりすまし」によってさらに重要な情報が漏れてしまったり、盗まれたりすることも考えられます。

状況によっては該当従業員に紐づくアカウントをすべて停止させなくてはならなかったり、業務が止まってしまうということもあるかもしれません。

また、会社の管理が届かない個人アカウントでは、上記のような外部からのアクセスに対するリスクだけでなく、従業員が情報を意図的に持ち出すことが容易になってしまうというリスクもあります。

退職した従業員の行動を防げない

個人アカウントのSNSでは、従業員が会社を離れてしまうと、何があってもなす術がありません。

退職した従業員が業務利用したトーク履歴は消去できているでしょうか?写真画像や添付ファイルがそのまま個人アカウントに残っているということはありませんか?

時間が経ってから情報漏洩が発覚しても調べる方法はなく、たとえ取引先からの問い合わせが来ても「わかりません」と答えるしかなくなってしまいます。

従業員へのプライバシー侵害

例えば入社したての従業員であった場合、先輩や上司から個人のSNSアカウントを教えてほしいと言われたり、業務用のグループチャットに入ることを強要されたら、嫌な気持ちになる人は多いはずです。

プライベートで楽しむための個人SNSアカウントには、同僚や先輩、上司には教えたくない情報が載っていることもあり、業務で使うとなるとそういった情報は削除しなくてはなりません。
そういった理由からアカウント交換を拒否されることもあるでしょう。

また休日や勤務時間外にも気軽に連絡が取れてしまうこともトラブルになりかねませんし、従業員にしても業務時間と休日の区別がつかなくなってしまうということも考えられます。

ハラスメントへのリスク

個人アカウントを業務利用する場合、すべての会話が個人のテリトリー内でおこなわれるため、プライベートと業務上のやりとりの区別がつきづらく、意図的でなくてもパワハラセクハラといったトラブルに発展するリスクが高まります。

実際にトラブルに発展した場合、個人アカウントではどのようなやりとりがあったのか確認するにも限界がありますし、無理に開示させようとしてしまうと、その行為自体がハラスメントとしてとらえられてしまう可能性もあります。

まとめ

以上、個人SNSの業務利用に潜むリスクについて書かせていただきました。

ついつい使ってしまっている個人SNSはあくまで個人レベルで使う想定で設計されています。そのときだけ……と使いはじめたことが、いつの間にかメインのコミュニケーションツールになってしまっていませんか?

会社単位でしっかり管理できる業務用ツールはたくさんあるため、一度検討してみてはいかがでしょうか?

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