新型コロナウイルス感染症の影響が続くなかで、私たちの生活のさまざまな場面が「Web化」されてきています。就職・採用活動における面接もその1つで、Web面接に切り替えて2度目の採用シーズンを迎える、というような方も少なくないかもしれません。

オンラインで面接をおこなえるWeb面接ツール(オンライン面接ツール)を導入すると、応募者は来社することなく面接を受けることができます。公共交通機関での長距離移動や狭い空間での対話といったリスクを気にせずに済むため、応募者と企業、双方が安心して就職・採用活動を進めることができるのです。

Web面接ツールは無料・有料を含めて多くの種類があり、それぞれ異なる機能が備わっています。今回はWeb面接ツールのさまざまな機能や、導入の手順をご紹介します。

Web面接ツールの機能

Web面接ツールには、顔を見ながら通話する機能だけではなく、さまざまな便利機能が備わっています。ここではその一部をご紹介します。

日程調整機能

面接の候補日時を応募者へ表示し、ツール上でそのまま予約、日時決定がおこなえる機能です。

複数の応募者と直接やり取りしながら日程調整をおこなうと「電話がつながらない」「返事がこない」「入れ違いで希望日時が重なる」などなかなか日時を確定できないこともありますが、この機能があれば日程調整のプロセスに余計な労力をかけずに済みます。

事前アンケート・テスト機能

面接前にアンケートやテストなどを実施する機能がついているツールもあります。応募者について事前により深く知ることができ、面接の質の向上が期待できます。

通知(リマインダー)機能

面接日時を登録しておくと、前日や当日の朝に確認メールを送ってくれるものもあります。

移動の必要がなくなったぶん、「うっかり忘れ」の発生頻度も高くなっているようです。通知を活用することで、お互いの「うっかり」を防ぐことができます。

録画・録音機能

録画・録音機能には ①Web面接の様子を録画して保存・共有できるもの、②応募者のPR動画などを録画して提出・共有できるもの、の2パターンがあります。

前者はおもに面接の振り返りや他の採用担当者への共有に使用します。後者は提出された動画を選考書類や面接の代わりとする「動画選考」の材料として、採用・不採用の判断に使用することができます。

画面共有・資料共有機能

手元の画面や資料を相手に見せたり、ダウンロード可能な状態で共有できるものもあります。共有している画面に書き込みをおこなえるものもあり、対面に近い感覚で資料の確認や説明をおこなうことができます。

スマートフォン・タブレット端末対応

パソコン(PC)ではなく、スマートフォンやタブレット端末を利用したい応募者もいるかもしれません。多くのWeb面接ツールがスマートフォン等の端末に対応していますが、事前に専用アプリのインストールが必要なものも多いため、確認しておくといいでしょう。

Web面接ツールの導入手順

自社のニーズを洗い出す

まずは自社の課題やニーズを確認しましょう。無料有料をふくめて多くのツールがあり、それぞれ特徴や機能が異なるため、どのような選考をおこないたいのか、そのためにどういった機能が必要なのか、イメージを固めておくことが大切です。

ツールを検討する

イメージができたら、自社に合ったツールを探します。

有料ツールは管理者やアカウントの数などによって料金が変動するため、最低限必要なアカウント数はいくつなのか、どの程度の予算をかけられるのかは確認しておきましょう。

有料ツールでも“お試し(無料トライアル)”ができるものもあるため、早めに検討を開始していろいろなツールを体験してみるのもいいかもしれません。

社内へ共有する

導入するツールが確定したら、アカウント情報やマニュアルなどを社内へ共有します。困った際の問い合わせ先も明確にしておきましょう。

Web面接ツールを導入する際の注意点

設備を確認する

Web面接をおこなうにはカメラ・マイクなどの設備が必要になります。

これらがあらかじめ搭載されているパソコンをお持ちの方も多いかもしれませんが、パソコンの内蔵マイクは周辺の雑音なども拾いやすく、応募者がこちらの声を聞き取りにくくなってしまったり、スムーズに会話が進まなくなってしまう可能性もあります。マイクの音質チェックや通話テストを本番前に一度、社員同士で必ずおこなっておきましょう。音質が少しでも気になる場合は、予備のヘッドセットなどを用意しておくと安心です。

トラブルの対処方法を決めておく

Web面接中に通信が切れてしまう……などのトラブルが起きた際も、チェックの手順やルールを事前に固めておけば慌てずに対処できます。想定できるトラブルの対処方法は、マニュアルと一緒に事前共有するようにしましょう。

応募者の事前準備を確認する

ツールによっては、応募者の端末へのアプリインストールや、アカウント登録が必要な場合もあります。

必要な準備が整っていなければ面接を実施することができず、当日になって双方が慌てることになりかねません。事前準備の内容は、面接日時が確定したタイミングや面接前日など適切なタイミングで、きちんとわかりやすく伝えておきましょう。

こちらの説明資料もマニュアルなどと一緒に事前に用意しておくことで、応募者対応をスムーズに進めることができます。

Web面接ツールのご紹介

無料ツール

Web会議用のツールとしてお馴染みのものも多いですが、Web面接ツールとしても活用できます。有料プランに切り替えることで、より便利に使えるものもあります。

ツール名主な機能費用対応ブラウザ(PC) アプリインストール(PC)スマートフォン対応アカウント登録
Zoomチャット、画面共有、録画録音無料※有料プランありChrome、
Firefox、
Edge、
Safari
不要(PC版アプリ提供あり)
専用アプリ必須
必要企業側のみ
Skypeチャット、画面共有、録画録音無料※固定電話や携帯電話への発信などは通話料が発生Chrome、
Edge
不要(PC版アプリ提供あり)
専用アプリ必須
不要
Google Meetチャット、画面共有、字幕表示、ホワイトボード無料※有料プランありChrome、
Firefox、Edge、
Safari
不要(PC版アプリ提供あり)
専用アプリ必須
必要
Microsoft Teamsチャット、画面共有、ファイル共有無料※有料プランありChrome、
Edge
不要(PC版アプリ提供あり)
専用アプリ必須
必要企業側のみ

有料ツール

有料ツールには採用活動で便利な+αの機能を備えているものが多く、面接だけでなく採用活動全般を効率化したい場合におすすめです。

ツール名特徴的な機能費用無料トライアルスマートフォン対応アカウント登録(応募者)
harutaka
(株式会社ZENKIGEN)
日程調整、通知(リマインダー)、設問登録(質問フォーム)、動画選考、応募者管理 など要問い合わせ
14日間無料トライアル可

ブラウザで使用可、専用アプリ提供あり
不要
SOKUMEN
(株式会社マルジュ)
通知(リマインダー)、電子契約、SMS送信、スナップショット、即面接機能 など初期費用0円、月額税込21,780円の固定
ブラウザで使用可、専用アプリなし
不要
VIEWHUB
(FacePeer株式会社)
面接日程の共有、画面キャプチャ など初期費用は要問い合わせ、月額10,000円〜
デモ環境で最大14日間無料トライアル可

一部機能のみブラウザで使用可(Androidは機種次第)、専用アプリ提供あり
不要
ウェブメン
(株式会社マイナビ)
面接用URLのメール自動送信、グループ面接(応募者同士を非表示に設定可) など初期費用0円、月額20,000円 〜×
専用アプリ必須
不要
ApplyNow
(株式会社オープンクラウド)
動画選考、日程調整、SMS送信、電子契約、AI評価 など要問い合わせ×プロフィール登録が必要
interviewmaker
(株式会社スタジアム)
動画選考、採用管理、AI評価 など要問い合わせ
30日間無料トライアル可

ブラウザで使用可、専用アプリ提供あり
ツールの種類により異なる
・interview maker lite:不要
・interview maker classic:事前登録が必要

まとめ

いかがでしたか?今回はWeb面接ツールのさまざまな機能や、導入手順をご紹介しました。

Web面接もすでに珍しいものではなくなり、便利なツールも数多く提供されています。自社のニーズにぴったり合ったツールを見つけて、ぜひ活用してみてくださいね。