アルバイトの稼働を増やすには、どうすればいいのかわからない。

この記事は上記のようなお悩みを抱えておられる方に向けて、アルバイト稼働率の定義や計算方法などを踏まえつつ、高めるためのポイントをご紹介します。

現場でアルバイトの労務管理を担当している方は、ぜひ最後までご確認ください。

アルバイトの稼働率とは

まずはアルバイト稼働率について概要や定着率との違いを確認しておきましょう。

アルバイト稼働率の概要

稼働率とは、生産能力に対してどれくらいの実績を生み出せたかを測る指標です。

アルバイトの稼働率としては以下の2つの考え方があります。

①全アルバイトの内、実際に稼働しているアルバイトの人数の割合

こちらの考え方は全アルバイトにおける稼働率を示すもので、以下の計算式で算出できます。

稼働率=(稼働アルバイト数÷全アルバイト数)×100

例えば雇用しているアルバイトが10名で、稼働しているアルバイトが4名の場合、稼働率は以下のように求められます。

アルバイト全体における稼働率=(4÷10)×100=40%

②アルバイトが稼働できる時間に対して、実際に働いた時間の割合

こちらは一人当たりの稼働率を示すもので、以下の計算式で算出できます。

稼働率=(実際の稼働時間÷稼働できる総時間)×100

仮にアルバイトが本来32時間働けるところ、20時間しか働いていなかった場合の稼働率は以下のように算出可能です。

アルバイト個人における稼働率=(20÷32)×100=62.5%

一般的な稼働率と言うと①を指しますが、アルバイト稼働率を高めていくには、②の考え方についても押さえておくべきでしょう。

稼働率と定着率との違い

稼働率と関連した概念として定着率があります。

定着率とは入社してから一定期間後も就業している従業員の割合を示す指標であり、以下の計算式で算出可能です。

定着率=(現時点の在籍人数÷入社時の人数)×100

例えば、4月時点でアルバイトを10人雇用し、9月末時点で6人となっていた場合の定着率は以下のように求められます。

定着率=(6÷10)×100=60%

定着率は稼働率と直接関係のある指標ではありませんが、稼働率を高めていくには従業員が定着していることが前提となるため、重要な指標と言えるでしょう。

アルバイト稼働率を把握する重要性

アルバイト稼働率は現場の生産性を測る指標となります。

シフトを最適化させたり、リソースの過不足を把握したりするには、各アルバイトがどれくらい働いているのかを定量的に確認しなければなりません。

稼働率は、こういったシフト最適化やリソース調整の判断に欠かせない指標であるため、アルバイトを雇用している企業は常に把握しておく必要があると言えるでしょう。

アルバイトの稼働率を高めるメリット

ここでアルバイト稼働率を高めるメリットをご紹介します。

メリット①:一人当たりの生産性が向上する

一つ目のメリットは、一人当たりの生産性が向上するという点です。

アルバイト一人ひとりの稼働率を高めることができれば、それぞれが業務で生み出す成果も増えることになります。

結果としてアルバイト一人当たりの生産性が向上し、同じ人員数でより大きな成果を生み出すことができるでしょう。

メリット②:人手不足の解消

続いてご紹介するメリットは、人手不足の解消です。

各アルバイトの稼働率が高まることで、より少ない人手でも業務が回せるようになり、人手不足の現状も解消できるでしょう。

人手が足りないと決めつけていたものの、人数ではなく稼働率に課題があったというケースも往々にしてあるため、まずは稼働率を把握することをおすすめします。

メリット③:人件費を抑えられる

メリットの最後にご紹介するのは、人件費を抑えられるという点です。

稼働率の把握や高めるための活動を通じて、本当に必要な人員数を把握できます。

そのため「とりあえず確保しておく」といった過剰な採用を行うリスクも防止でき、余計な人件費も抑えられるでしょう。

稼働率を高める際の注意点

稼働率を高めるメリットについて見てきましたが、注意点も併せてご紹介します。

稼働率を高めるにあたって、企業側の都合を優先してシフトを一方的に増やしたり、業務時間を増やしたりといった対応をすると、稼働率が高まるどころか離職に繋がりかねません。

そのため稼働率を上げたい場合は、アルバイト側が自然と「もっと働きたい・シフトを増やしたい」と思ってくれるように、アプローチしていく必要があるでしょう。

アルバイトの稼働率を高めるポイント

それでは稼働率を高めていくにはどうすればよいのでしょうか。最後に稼働率を高めるポイントについてご紹介します。

ポイント①:定着率を高める

一つ目のポイントは定着率を高めるという点です。

稼働率を高めるにあたって、そもそもアルバイトが定着していることが前提となります。

アルバイトが入社と離職を頻繁に繰り返している状況であれば、まずは定着率を高めるためのアプローチを実施しなければなりません。

定着率が悪い場合、「事前に伝えていた条件と実態に差異がある」といった課題があるケースも多いため、採用活動自体を見直す必要があるでしょう。

採用活動の質を高めてミスマッチを防ぎ、定着率が高まった際に、ようやく稼働率の改善活動に取り組むことになります。

ポイント②:働きやすい環境を構築する

続いてのポイントは働きやすい環境を構築するという点です。

稼働率を高める取り組みは、企業側の都合で一方的に進めても意味がありません。

アルバイトがもっと働きたいと思ってくれるように、働きやすい環境を構築することこそ、稼働率を高める上で重要なポイントと言えるでしょう。

そのためには給与や待遇などの条件面を適正化することは勿論、努力や頑張りにしっかりと応えられる評価制度などを整えることが求められます。

ポイント③:フォロー制度を充実させる

ポイントとして次に挙げられるのがフォロー体制を充実させるという点です。

相談しやすい空気感や環境を作ることは当然として、新人研修や定期研修などの教育制度を整えることで、アルバイトの満足度が高まることが期待できます。

他にもバイトリーダーの設置やメンター制度を導入し、上司とはまた違う角度からフォローできる仕組みを構築することで、定着率や稼働率の向上に繋げることができるでしょう。

ポイント④:福利厚生を充実させる

福利厚生を充実させる点も、稼働率を高める上で重要なポイントになります。

社会保険などの法定福利に加えて、企業が任意で設定できる法定外福利について、アルバイトでも利用できるメニューを揃えることで、満足度や稼働率向上に繋げられるでしょう。

たとえば皆勤ボーナスや給与前払いサービス、自社商品の割引提供など、収入面にプラスになる制度を取り入れると、稼働率の向上に結び付きやすいと言えます。

ポイント⑤:勤怠・シフト管理を適切に行う

稼働率を高めるポイントとして最後にご紹介するのは、勤怠・シフト管理を適切に行うという点です。

紙でシフトを管理している場合、各アルバイトの稼働状況を正確に把握することが難しく、結果的に稼働率が低下しているといった事態を招きかねません。

勤怠やシフト管理に役立つツールを導入することで、アルバイト一人ひとりの稼働状況を正確に把握し、シフトの最適配分を実現できます。

その結果、稼働率の向上にも繋げられるでしょう。

まとめ

今回はアルバイトの稼働率をテーマに、定義や計算方法、高めるポイントなどをまとめてご紹介してきましたが、いかがでしたか。

慢性的な人手不足である日本社会において、新たな人材を採用する難易度は年々高まっています。

そういった状況においては、現在雇用しているアルバイトの生産性を高めることが重要になってくるでしょう。

アルバイトの生産性を高める上で、稼働率を把握して向上させることは欠かせません。

ぜひこの記事を参考に、稼働率の把握や向上に取り組んでみてください。

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