採用コンサルティングや採用代行の導入を検討しているものの、両サービスにどのような違いがあるのかわからない。
本記事は上記のような方に向けて、それぞれのサービス概要を踏まえた上で、メリットや活用すべきシーンなど、7つの側面から違いをご紹介します。
選定する際のポイントなども触れているため、ぜひ最後までご確認ください。
採用コンサルティングと採用代行(RPO)の概要
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採用コンサルティングと採用代行(RPO)の具体的な違いについて触れる前に、両サービスの概要や求められる背景について確認します。
採用コンサルティングとは
採用コンサルティングとは、採用に関する専門ノウハウを持ったプロが、企業における採用課題の解決を外部アドバイザーの立場で支援するサービスです。
採用ターゲット策定やアプローチ設計といった上流工程から、選考実務や内定後のフォローに至るまで、幅広い領域について精度を高めるためのサポートを受けられます。
あらゆる業界に対して幅広く対応しているサービスもあれば、特定業界や職種に特化しているものなど、サービスの種類は多岐にわたります。
採用代行(RPO)とは
採用代行は採用プロセスを委託できるサービスで、RPO(Recruitment Process Outsourcing)とも呼ばれます。
採用戦略の策定や選考、内定者フォローといった採用プロセスについて、一部あるいは全てを委託できます。
採用に関する深い知見や豊富な実務経験を持つプロが採用業務を代行するため、採用プロセスやコストの最適化を実現可能です。
また採用活動の外部委託によって余裕ができたリソースを別の業務に回すなど、社内リソースの最適配分も実現できるでしょう。
採用コンサルティングや採用代行が求められる背景
採用コンサルティングや採用代行などのサービスが求められる背景には、採用活動の多様化や複雑化が挙げられます。
少子高齢化による人口減少を受け、年々採用の難易度は高まっています。
それに伴い採用競争も激化し、従来の採用媒体を軸としたものから、オウンドメディアやSNSを用いた採用、ミートアップやダイレクトリクルーティングなど様々な採用手法が登場しました。
採用プロセスも複雑化し、企業の採用担当者のリソースやノウハウが追い付かないといったケースが増えています。
これらのリソースやノウハウを補いつつ、自社に必要な人材を確保するために、採用コンサルティングや採用代行が注目を集めていると言えます。
採用コンサルと採用代行(RPO)の違い①:サービス内容
ここからは採用コンサルティングと採用代行の違いをご紹介します。まずはサービス内容の側面から違いを見ていきましょう。
採用コンサルティングのサービス内容・範囲
採用コンサルティングでは、各採用プロセスにおける現状課題を抽出した上で、課題解決のための具体的なアプローチや情報提供を実施します。
主なサービス内容としては以下のとおりです。
採用戦略や計画の立案 | ・現状分析 ・採用ターゲットの明確化 ・採用基準の設計 ・採用プロセスにおけるKGI・KPI設計 ・求人要件の定義 |
---|---|
選考フローの構築 | ・採用ターゲットに合わせたフロー設計 ・最適な採用手法の選定 ・最新の採用市場に関する情報提供 |
母集団形成 | ・求人媒体の選定 ・求人原稿に関するアドバイス提供 ・スカウト文面の添削 ・説明会などの企画 |
選考実務のサポート | ・スクリーニングにおけるノウハウ提供 ・面接トレーニング ・各種マニュアルの設計 |
内定者フォロー | ・内定者とのコミュニケーションノウハウの提供 ・内定者フォロー施策の設計 |
サービスによっては実運用まで入り込むケースもありますが、基本的にはアドバイザーとして採用に関する提言やノウハウを提供することがサービスの中心です。
そのため採用プロセスの実施はあくまで自社で行う必要があります。
採用代行(RPO)のサービス内容・範囲
採用代行は、採用プロセス上で発生する業務を代行するサービスです。主に以下のような業務を委託できます。
採用戦略の立案 | ・採用戦略の立案と策定 ・採用ターゲット像の明確化 ・採用の全体スケジュール設定 |
---|---|
母集団形成 | ・求人広告の作成・投稿 ・求人媒体の管理 ・スカウトメールの作成・配信 ・説明会の運営 |
応募者管理 | ・選考案内や結果通知などの応募者対応 ・応募者情報の管理 ・適性検査や筆記試験などの運用 |
選考 | ・書類選考などのスクリーニング ・面接日程の調整・連絡 ・面接の実施 |
内定者フォロー | ・内定通知 ・内定者フォローの実施 |
採用可否判断を含めた採用業務や選考を委託する場合、委託募集に該当します。
その場合、採用代行を依頼する側もベンダー企業側も、あらかじめ厚生労働大臣や労働局長の許可を得る必要があります。
ただし選考基準設定や採用可否判断は自社で行い、あくまで事務的作業のみを委託する場合は委託募集に当たらず、許可も不要です。
採用コンサルと採用代行(RPO)の違い②:メリット
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続いてメリットの側面から両サービスの違いを確認します。
採用コンサルティングのメリット
採用コンサルティングのメリットとしては、以下の点が挙げられます。
1.専門的かつ客観的なアドバイスを受けられる
採用コンサルティングでは、採用のプロから専門的かつ客観的なアドバイスを提供してもらえます。
採用に関する課題を自社だけで分析しても、本質的な問題に辿り着けず、結局根本的な解決に至るアプローチを考えることができないケースが多くあります。
その点、採用コンサルティングを導入すれば、第三者の視点から自社の採用課題を分析してもらえ、本質的な課題を抽出できるでしょう。
2.採用トレンドのキャッチアップ
採用コンサルティングを導入することで、採用市場における最新のトレンドを取り入れることが可能です。
採用コンサルティング会社の担当者は様々な企業の採用支援を通じて、採用市場の最新状況に精通しています。
採用トレンドを適切に把握できれば、効果的な採用活動を実現できるでしょう。
3.採用ノウハウの獲得
採用コンサルティングを上手く活用することで、採用ノウハウを獲得可能です。
採用コンサルティングを導入すると、採用のプロから各採用プロセスにおいて的確なアドバイスを受けることができます。
これらのアドバイスを真摯に受け止めることで、自社の採用ノウハウとして蓄積できるでしょう。
採用代行(RPO)のメリット
採用代行のメリットとしては、以下のような点が挙げられます。
1.コア業務に集中できる
採用代行を活用することで、より重要なコア業務に集中できます。
採用代行を活用し、採用プロセスを外部委託することで、これまで該当業務に割いていたリソースを別の業務に充てることが可能です。
そのため採用においてより重要な業務、例えば最終面接における見極めや検討などに多くの時間を割くことができるでしょう。
2.採用コストの最適化
採用代行では採用コストの最適化を図ることができます。
採用代行は豊富な経験を持つプロが採用業務を行うため、成果の出ない採用業務にリソースや予算などを投入するリスクを抑えることが可能です。
そのため、これまで採用にかかっていた無駄なコストを削減し、採用活動のコスト構造を最適化できるでしょう。
3.採用活動の精度向上
採用代行を導入することで、比較的短期間での採用活動の精度向上を狙うことが可能です。
採用代行では、採用に関する深い知見や経験に基づき、採用ターゲットに合わせて最適な採用活動を実施します。
その結果、採用活動全体の精度が高まり、人材を着実に採用できるでしょう。
採用コンサルと採用代行(RPO)の違い③:デメリット
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次に両サービスのデメリットについて確認しましょう。
採用コンサルティングのデメリット
採用コンサルティングのデメリットには、以下のような点が挙げられます。
1.費用が高額になるケースがある
採用コンサルティングは、状況次第で費用が高額になる可能性があります。
採用課題が複雑で解決難易度が高いものであったり、コンサルテーションの対象範囲が広がったりすると、費用もそれだけ高額なものになるでしょう。
そのため、一時的に採用活動における費用対効果が悪化する可能性がある点には留意しなければなりません。
2.提案内容を実行できない可能性がある
採用コンサルティングでは、採用課題に基づいた本質的な解決策を提案してくれるものの、あくまで実行主体は自社となります。
提案内容を適切に実行すれば、採用成果を得られる可能性が高いですが、もし上手く実行できなければ当然効果を得ることはできません。
特に提示された解決案が高度であったり、複雑であったりすれば、自社で遂行できる可能性も低くなってしまうでしょう。
3.自社の情報を開示しなければ精度が低くなる
自社の情報を十分に開示しなければ、採用コンサルティング会社からの提案精度が低くなります。
採用コンサルティングにおける分析や課題設定の精度は、自社の採用活動の現状は勿論、事業上の様々な情報をしっかりと提示することで、はじめて高まります。
この点を疎かにしては、費用対効果が著しく悪化してしまうでしょう。
採用代行(RPO)のデメリット
採用代行のデメリットとしては、以下のような点が挙げられます。
1.採用ノウハウを蓄積しにくい
採用代行には採用ノウハウを蓄積しにくいという難点があります。
採用代行は自社では採用業務を遂行しないという特性上、その業務遂行によって得られるはずのノウハウが得られません。
そのためもし採用代行の活用を辞めた場合、プロセスや成果の再現ができず、再び採用精度が低下してしまう可能性があるでしょう。
2.ミスマッチが生じやすい
ミスマッチが生じやすいという点にも注意しなければなりません。
採用代行の担当者と採用ターゲット像や基準などについて十分にすり合わせていなければ、想定していなかった人物を採用してしまう可能性が高まるでしょう。
特に面接などの選考プロセスを代行してもらう場合、この点が顕著になります。
3.候補者との関係性を構築しにくい
採用代行を活用した場合、候補者との関係性を構築しにくくなります。
最初のコンタクトや選考におけるコミュニケーションも含めて委託した場合、選考過程における候補者との接点が少なくなるためです。
そのため選考を通じた関係性構築が十分に行えず、入社後の立ち上がりに時間がかかるなどの影響が生じる可能性があるでしょう。
採用コンサルと採用代行(RPO)の違い④:費用形態
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採用コンサルティングと採用代行は費用形態にも違いが見られます。
採用コンサルティングの費用形態
採用コンサルティングの費用は、以下の2点で構成されることが多くなります。
- 現状の分析から初期プランの設定にかかる初期費用
- 実際の採用活動を開始した際の月額費用
初期プランニングだけを依頼し、運用への具体的な落とし込み自体は自社で行う場合、初期費用だけで済むでしょう。
逆に初期プランを基に、実際の採用実務への落とし込みまでサポートしてもらう場合は、サポート期間に応じて月額費用がかかります。
具体的な金額感は支援領域や規模などによって大きく異なる点は留意しましょう。
採用代行(RPO)の費用形態
採用代行の費用形態は大きく以下の3つのパターンに分かれます。
月額定額型 | ・作業内容に応じて月額定額の費用が生じる形態 ・あらかじめ代行する業務内容や範囲が決まっているパッケージタイプのサービスが多い ・予算の変動がないため、コスト管理がしやすい |
---|---|
従量課金型 | ・業務内容や量によって費用が変動する形態 ・発生業務に応じた費用管理ができるため、コストを最適化しやすい ・毎月費用が変動するという特性上、予算管理は難しい |
成果報酬型 | ・内定などの成果が生じた際に費用が生じる形態 ・費用対効果が高く、余計なコストを削減できる ・採用人数当たりのコストは他の形態よりも高くなる |
採用コンサルと採用代行(RPO)の違い⑤:導入すべきケース
続いて導入すべきケースの側面から、両サービスの違いをご紹介します。
採用コンサルティングを導入すべきケース
以下のような状況を抱えている企業は採用コンサルティングが適しています。
1.採用ノウハウが不足している
採用ノウハウが不足している場合、採用活動に取り組んでも、内定などの成果に結びつく確率が低くなります。
その点、採用コンサルティングを導入すれば、採用ノウハウを獲得でき、精度の高いアプローチを実現できるでしょう。
2.採用戦略の大幅な見直しを検討している
新規事業の展開時や企業統合などを実施する場合、採用すべき人材も変わってくるため、採用戦略について大幅な見直しが求められます。
その際、採用コンサルティングを活用することで、状況に応じて適切な採用戦略の構築をサポートしてもらえるでしょう。
3.ミスマッチが多い
採用のミスマッチが多い場合、採用にかけた費用も無駄になり、長期的に見て事業に大きな悪影響を与えます。
採用コンサルティングを導入することで、ミスマッチが生じている根本原因を把握し、マッチングの精度を改善できる可能性があります。
4.特定の職種やポジションの採用に苦戦している
特定の職種やポジションの採用に苦戦している場合、今のやり方を続けても成果を得られない可能性が高いと言えます。
そういった場合は、該当領域に特化した採用コンサルティングを活用することで、採用精度を高めることが可能です。
採用代行(RPO)を導入すべきケース
採用代行を導入すべきケースとしては、以下のような場合が挙げられるでしょう。
1.採用専任の人材がいない、あるいは少ない
自社内に採用専任の人材がいない、あるいは少ない場合、採用活動に対して十分にリソースを割けません。
しかし採用代行を活用することで、不足しているリソースを補い、適切な採用活動を実現することが可能です。
2.大規模採用を検討している
数百〜数千人など大規模採用を計画している場合、自社のリソースだけで対応することは難しいと言えます。
その点、採用代行を活用すれば、大規模採用でもスムーズに遂行できるでしょう。
3.募集職種が多い
募集職種が多い場合、採用担当者に求められる知見も広範となるため、精度が落ちやすくなります。
採用代行では幅広い職種に関する知見を持った担当者が採用に従事するため、募集職種が多くても成果を得やすいでしょう。
4.早急に人材を確保したい
急な退職などで早急に人材を確保したい場合、自社単独や採用コンサルティングでは長期的目線で採用活動を実施する特性上、時間がかかってしまいます。
その点、採用代行では成果の出やすい採用施策をスムーズに実施できるため、比較的短期間での採用が見込まれます。
採用コンサルと採用代行(RPO)の違い⑥:活用時のポイント
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採用コンサルティングと採用代行では、活用時のポイントにおいても違いが見られます。
採用コンサルティングを活用する際のポイント
採用コンサルティングにおいて成果を上げるには、担当コンサルタントと密に連携を図り、自社に関する情報提供などを十分に行う必要があります。
先述のとおり、こちらからの情報提供が不足すると、採用コンサルティング会社であっても分析やアプローチの精度が下がってしまうためです。
そのため採用コンサルティングプロジェクトを推進するチームを設置し、定期的なミーティングを設定するなど、推進体制を整えなければなりません。
また採用コンサルティング会社から得た提言やアドバイスについては、しっかりと記録し、ノウハウ集などのように形式知化しておくこともポイントです。
適切に形式知化しておくことで、採用コンサルティングが終了した後も、採用成果の再現性を高められるでしょう。
採用代行(RPO)を活用する際のポイント
採用代行を活用する際は、自社の採用課題や採用ターゲット、採用基準といった前提情報をあらかじめ明確化しておくことが重要です。
これらの点が曖昧なまま採用代行を活用すると、ミスマッチに直結します。
採用代行の中には、採用課題やターゲット設定までサポートしてくれるサービスもありますが、それでもある程度自社で整理しておかなければなりません。
また採用代行ベンダーをしっかりとモニタリングし、適切に運用されているか、成果が出ているかといった点を把握しましょう。
もし費用対効果が悪い場合は、運用面の改善依頼を出すことは勿論、採用代行の継続可否判断やベンダー切り替えなどの検討を行う必要があります。
採用コンサルと採用代行(RPO)の違い⑦:選定ポイント
最後にご紹介する違いは、選定する際のポイントです。
採用コンサルティングを選定する際のポイント
採用コンサルティング会社を選定する際は以下のような点を確認すると良いでしょう。
- 過去のコンサルティング実績
- 得意とする領域や所属コンサルタントの専門性
- ノウハウ提供の仕組みやサポート体制
- 最新技術などへの対応有無
特に自社の業界と近い企業の支援実績があるのか、対象とする職種に関するノウハウがあるのかなどは念入りに確認すべきでしょう。
この点を十分に確認せずに活用した場合、高い費用を投入したにも関わらず、採用成果に結びつかないといった事態に陥りかねません。
採用代行(RPO)を選定する際のポイント
採用代行ベンダーを選定する場合は、以下のような点を判断軸にしましょう。
- 委託募集に該当する場合は許可の有無
- 対応可能な業務領域
- 自社に近い業種や規模の案件の支援実績
- セキュリティ対策
- 費用形態
採用代行の場合は、まず委託募集における許可を持っているかを確認しなければなりません。
もし許可を得ていない採用代行ベンダーに委託してしまった場合、委託側も罰則が科される可能性があるため注意しましょう。
またセキュリティ体制についても入念に確認することをおすすめします。
採用代行では求職者に関する個人情報は勿論、自社の事業に関する機密情報などを提供することになるためです。
そのためプライバシーマークなどを取得しているかなども併せて確認しましょう。
まとめ
日本は1995年以降生産年齢人口が減少し続けており、様々な業界で人材不足に陥っています。
それに伴い企業間の採用競争が激化し、かつては多くの応募者を集めた大手企業であっても、採用難に苦しむ時代となりました。
そういった時代に呼応するように採用支援を行うサービスも数多く登場しており、採用コンサルティングや採用代行はその代表格となります。
いずれも適切に活用することで自社の採用課題を解決し、必要な人材を確保できるようになるでしょう。
ぜひ本記事を参考に採用コンサルティングや採用代行の活用をご検討ください。
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