マイナンバーを収集する際のポイントを押さえたい。
この記事は上記のような思いをお持ちの方に向けて、マイナンバー収集の流れや方法、ポイントなどを解説します。
マイナンバー収集に活用できるシステムや、ガイドラインなども併せてご紹介するため、ぜひ最後までご確認ください。
マイナンバーを収集する流れ
まずはマイナンバー収集から管理に至るまでの流れについて確認しましょう。
ステップ①:利用目的を明示する
はじめのステップは、利用目的の明示です。
マイナンバーを収集するにあたって、「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(マイナンバー法)」第21条第2項の規定に基づき、あらかじめ従業員に対して利用目的を明示する必要があります。
そのため利用目的通知書や同意書などを用意し、従業員が正確に目的を理解できるように明示しましょう。
目的ごとに分けて通知する必要はなく、複数の目的をまとめて明示できます。
マイナンバーの利用範囲
補足としてマイナンバーの収集目的、つまり利用できる範囲について確認しておきましょう。
マイナンバーは本人の同意があったとしても特定の事務以外で利用できません。
利用が可能な特定事務としては、主に以下のようなものが挙げられます。
- 福祉や保健などの社会保障に関わる事務
- 地方税に関する事務
- 防災に関する事務
- 給与支払いに関する源泉徴収票や支払調書などの事務
ステップ②:マイナンバー収集・本人確認
マイナンバーの利用目的を明示した後は、実際にマイナンバーの収集を行います。
またマイナンバーを収集する際は、本人確認も併せて行わなければなりません。
マイナンバー確認を行う書類
まずマイナンバー確認を行う書類についてご紹介します。マイナンバーを確認する上で、参照すべき書類は以下のとおりです。
- マイナンバーカード
- マイナンバー通知カード
- マイナンバーが記載された住民票の写し
マイナンバーカードは本人確認書類と兼ねることができます。
本人確認を行う書類
マイナンバーカード以外は別途本人確認を行うために、以下のような書類が必要となります。
【1点だけでよい書類】
- 免許証
- パスポート
- 身体障害者手帳
- 在留カード
【2点必要な書類】
- 公的医療保険の被保険者証
- 年金手帳
- 児童扶養手当証書
ステップ③:適切に管理する
続いてのステップは、マイナンバーの管理です。
マイナンバーを管理する際は、個人情報保護委員会が提供する「(別添)特定個人情報の適正な取り扱いに関する安全管理措置」を参考にするとよいでしょう。
ここでは詳述を避けますが、以下の4つの安全管理措置を講ずべきとしています。
- 組織的安全管理措置:マイナンバー運用に関する規定や手段の整備など
- 人的安全管理措置:マイナンバー事務担当者の監督や教育など
- 物理的安全管理措置:マイナンバーを取り扱う区域の管理など
- 技術的安全管理措置:マイナンバーへのアクセスに関する規定など
ステップ④:適切に廃棄する
マイナンバーが記載されている書類で、保管義務がない書類や保管期間が過ぎた書類は速やかに廃棄する必要があります。
マイナンバーに関するデータ削除や、マイナンバーを管理していた電子媒体を破棄した場合は、削除や廃棄をした記録を残しておきましょう。
また廃棄業者に委託した場合は、廃棄証明書などを発行してもらう必要があります。
【補足】扶養親族のマイナンバーの収集方法について
手続きにおいて、従業員の扶養親族のマイナンバーが必要になるケースがあります。
その際、扶養親族のマイナンバーについては、従業員本人に収集を行ってもらうことになります。
扶養親族分の本人確認についても、企業側の責任ではなく、従業員本人の責任で行わなければなりません。
マイナンバーの収集方法
ここからはマイナンバーの収集方法として、3つの方法をご紹介します。
方法①:紙による収集
一つ目は対面での手渡しや郵送など、紙によって収集する方法です。
マイナンバー確認用書類と本人確認資料のコピーを提出してもらうことになるでしょう。
紙による収集は工数もそれなりに掛かるため、従業員がそこまで多くない場合などに適した方法と言えます。
方法②:メールによる収集
次にご紹介する収集方法は、メールによる収集です。
マイナンバーカードや通知書、免許証などの書類をスマートフォンなどで写真に撮ってもらい、画像データをメール添付で送ってもらうことになります。
紙による収集よりも効率的に集めることができます。
方法③:労務管理システムなどを用いた収集
収集方法の最後にご紹介する方法は、労務管理システムを用いた収集です。
労務管理システムにマイナンバーを入力してもらい、本人確認資料のデータも併せて格納してもらう形で収集します。
マイナンバー収集に活用できる労務管理システムは、後ほどご紹介します。
【補足】提出が拒否された場合の対応
補足として、従業員から提出を拒否されてしまった場合の対応についてご紹介します。
もし提出が拒否されてしまった場合、目的を明示して収集を求めた日時や、その後の経過などを記録しておくことが重要になります。
そうすることで、行政などから問い合わせがあった際に、単なる義務違反ではないことを証明できるでしょう。
マイナンバー収集におけるポイント
続いて、マイナンバー収集におけるポイントを確認します。
ポイント①:ガイドラインを活用する
一つ目のポイントは、ガイドラインを活用するという点です。
マイナンバーの収集や管理について、行政が様々なガイドラインを提供しています。
これらのガイドラインをしっかりと参照することで、適切な収集・管理が実現できるでしょう。
以下に主なガイドラインを掲載しているため、ぜひご活用ください。
参考:はじめてのマイナンバーガイドライン|特定個人情報保護委員会事務局
参考:特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)|個人情報保護委員会
参考:(別添)特定個人情報の適正な取扱いに関する安全管理措置|個人情報保護委員会
ポイント②:労務管理システムを導入する
二つ目のポイントは労務管理システムを導入するという点です。
紙やメールでの収集の場合、システムへの再入力の手間や、多数のマイナンバーを入力することに起因する誤情報入力といったリスクが生じてしまいます。
そのため、できればマイナンバー収集に対応した労務管理システムを導入し、入力ミスを防ぎつつ、効率的に収集できるようにすべきでしょう。
マイナンバー収集におすすめの労務管理システム3選
最後にマイナンバー収集に活用できるおすすめの労務管理システムをご紹介します。
freee人事労務
一つ目にご紹介するのは、freee人事労務です。
freee人事労務は freee株式会社が提供する労務管理システムで、マイナンバーの収集や管理ができる機能も搭載されています。
freee人事労務から、従業員に対してマイナンバーの利用目的などを記載したリクエストメールを送信し、そこからマイナンバー情報を入力してもらうだけで収集できます。
スマホやPCから本人確認資料の画像データもアップロードできるため、簡単にマイナンバー収集に取り組むことができるでしょう。
SmartHR
次にご紹介するのは、SmartHRです。
SmartHRは株式会社SmartHRが提供する労務管理システムであり、マイナンバー管理機能も搭載されています。
マイナンバーの登録依頼をボタン操作だけで実施でき、従業員ごとに収集状況を把握できます。
また収集したマイナンバーは暗号化された状態で保存されており、万が一流出してもマイナンバー自体が把握されることがないため、セキュリティ面にも優れていると言えるでしょう。
apseedsポータル
最後にご紹介するのは、当社が提供しているapseedsポータルです。
apseedsポータルはアルバイトや派遣スタッフ向けの労務管理システムとなっており、マイナンバー回収ができるWeb書類回収サービスが利用できます。
アプリ上で提出の催促や回収状況の管理ができ、情報の削除も手軽に行うことができるため、マイナンバーに関する事務を効率化することが可能です。
固定料金制を取っているため、従業員や利用者が増えても費用が変わることがなく、安心してご活用いただけます。
まとめ
今回はマイナンバーの収集をテーマに、流れや具体的な方法などをまとめてご紹介してきましたが、いかがでしたか。
マイナンバーの収集や管理は、従業員の労務管理に携わる方にとって重要な業務の一つです。
マイナンバーは個人情報の中でも特に重要な情報であり、その他の情報よりも扱いに注意する必要があるため、正しい知識を押さえた上で、適切に収集・管理することが求められるでしょう。
ぜひこの記事を参考に、マイナンバー収集や管理に取り組んでいただければ幸いです。
web書類回収サービス
まだまだ残る「紙運用」に解決策を!!
お知らせ・マニュアル・届出書など 今お使いの書類と運用をそのまま電子化し、スマホアプリ『apseedsポータル』やwebブラウザでの 配布・回収・管理を可能にするサービスです