• 日々紹介とはどういった仕組みのサービスなのか?
  • 日雇い派遣とはどう違うのか?
  • 日々紹介のメリットやデメリットは?

この記事は上記のような疑問を抱かれている方に向けて、日々紹介の概要を踏まえつつ、日雇い派遣との違いやメリットなどを解説します。

利用の流れやよくある疑問に対する答えも解説していくため、ぜひ最後までご確認ください。

日々紹介の概要

まずは日々紹介の意味や費用、日雇い派遣との違いなどについて押さえていきましょう。

日々紹介とは

日々紹介の仕組み

日々紹介とは、一日単位、もしくは30日以内の雇用を希望する求職者を紹介する人材紹介サービスのことです。

仕組みとしては通常の人材紹介サービスと同様で、まず人材紹介サービス会社に求人を依頼することになります。

その後、人材紹介サービス会社から求人要件に合った求職者の紹介が行われ、面接などの選考を実施し、双方問題なければ求職者と雇用契約を締結します。

日々紹介の費用

日々紹介サービスは基本的に成功報酬型となり、採用が確定した時点で紹介手数料として費用が発生します。

紹介手数料は企業によって異なりますが、採用した求職者に支払う報酬総額の35%程度が相場です。

例えば1日だけ雇用して、その求職者に対する報酬が15,000円だった場合、人材紹介サービス会社に対して5,250円支払うことになるでしょう。

日々紹介と日雇い派遣の違い

日々紹介と類似した概念として日雇い派遣があります。

日雇い派遣は文字通り派遣であり、派遣元事業者と労働者との間に雇用関係が生じるため、直接雇用となる日々紹介とは根本的に異なります。

また日雇い派遣は以下の条件に該当する者以外は原則禁止されているため、1日単位や30日以内での雇用を希望する場合、日々紹介の方が良いケースが多いでしょう。

【日雇い派遣が可能な者】

  • 60歳以上の者
  • 雇用保険の適用を受けない学生(昼間学生)
  • 副業として従事する者(本業収入が500万円以上)
  • 主たる生計者以外の者(世帯収入が500万円以上)

日々紹介が利用されることが多い業種

日々紹介はその性質上、短期的な繁忙などに対応するために利用されるサービスとなります。

日々紹介において業種に制限はありませんが、基本的に以下のような業種での利用が多くなるでしょう。

【日々紹介の利用が多い業種】

  • イベント業
  • 接客業
  • 物流・倉庫業
  • 引っ越し業
  • 製造業
  • 清掃・リゾート施設
  • 軽作業

日々紹介のメリット・デメリット

ここからは日々紹介のメリット・デメリットについて解説します。

日々紹介のメリット

日々紹介のメリットとして、以下の3点をご紹介します。

メリット①:コストを削減できる

一つ目のメリットとして挙げられるのは、コストを削減できるという点です。

派遣で人材を受け入れた場合、派遣労働者に支払われる給料に加えて、派遣元事業者の利益や福利厚生費用などを含めた金額に対して消費税が発生します。

対して、日々紹介で発生する費用は紹介手数料のみであるため、その分消費税の軽減が見込まれるでしょう。

メリット②:対象人数に制限がない

続いて挙げられるメリットは、対象人数に制限がないという点です。

日々紹介では受け入れ人数に制限がないため、必要に応じた人数を確保できます。

そのため大型イベントの開催や繁忙期などに合わせて、大量の労働者を雇用することも可能です。

メリット③:マッチングしやすい

通常の人材紹介は長期での就業を前提としているため、企業も求職者も慎重になり、マッチングするまで相応の時間がかかります。

対して日々紹介では短期の仕事を求めている人のみに絞り募集をかけます。

短期の仕事では高度なスキルや専門性が求められないケースも多くなり、それだけ人も集まりやすく、マッチングしやすいと言えるでしょう。

日々紹介のデメリット

デメリットとして以下2点をご紹介します。

デメリット①:雇用手続きの工数がかかる

デメリットとしてまずご紹介するのは、雇用手続きの工数がかかるという点です。

日々紹介で採用する求職者は直接雇用することになります。そのため雇用や退職に関する手続きが生じ、雇用人数が多ければ多いほど工数が増大することになるでしょう。

デメリット②:給与計算などの工数がかかる

続いて挙げられるのは、給与計算などの工数がかかるという点です。

直接雇用である以上、給与計算や振り込みといった労務管理上の各種業務も採用企業側に発生します。

一度に大量の求職者を雇用するケースが多い日々紹介においては、先の雇用手続きと併せてかなりの工数となる点は留意しておくべきでしょう。

日々紹介を利用する際の流れ

続いて日々紹介を利用する際の流れを5つのステップに分けてご紹介します。

ステップ①:サービス提供事業者への問い合わせ

まずは日々紹介サービスを提供している人材紹介サービス会社に問い合わせましょう。

日々紹介サービスを提供している事業者は多数あるため、複数の事業者に対して問い合わせを実施し、紹介してもらえる確率を高めるのも一つの方法です。

ステップ②:担当者からのヒアリング

続いて人材紹介サービス会社の担当者からヒアリングを受けることになるでしょう。

日々紹介を利用することで解決したい課題や人材要件、開始希望日などを詳しく伝えることで、マッチングの精度を高めることができます。

ステップ③:人材の紹介

次にヒアリングで伝えた内容をもとに、人材紹介サービス会社が募集をかけていきます。

該当する人材が見つかれば、職務経歴書や履歴書といった選考用の資料が提供されることになるでしょう。

ステップ④:選考・面接

人材紹介サービス会社から選考書類が送られてきた後は、選考ステップへと入ります。

紹介された人材の書類選考や面接などを実施し、採用しても問題ないか確認していくことになるでしょう。

ステップ⑤:契約手続き

面接の結果、特に問題なければ契約手続きを実施します。

契約書の取り交わしやその他必要な手続きなどを実施し、入社に向けて準備を進めていきましょう。

日々紹介を利用する際によくある疑問

最後に日々紹介を利用する際に抱きがちな疑問についてお答えします。

疑問①:年末調整の必要はあるのか?

結論として日々紹介で雇用する人材については、年末調整は必要ありません。ただしその人材に支払う報酬が9,300円を超えると、源泉徴収票の発行が必要となります。

報酬によって源泉徴収票の発行の有無が変わるため、抜け漏れがないように管理しておきましょう。

疑問②:社会保険や雇用保険、労災は適用されるのか?

日々紹介であっても所定労働時間や報酬額などが、それぞれの加入条件を満たせば、社会保険や雇用保険は適用されます。

労災は雇用形態や労働時間に関係なく、雇用した時点で適用される点は注意しましょう。

参考:法律改正によりパート・アルバイトの社会保険の加入条件が変わります|厚生労働省

参考:雇用保険の被保険者について|厚生労働省

疑問③:有給休暇・産前産後休暇・育児休暇は対象となるのか?

有給休暇については、雇用期間が通算で6か月を超えた時点で付与対象となります。そのため日々紹介であっても、同じ労働者に対して契約更新を繰り返した場合、対象となる可能性があります。

産前産後休暇はそもそも休暇中の雇用が発生することはないため対象外です。

育児休暇については、制度において「日々雇用を除く」という文言があるため、こちらも対象外となります。

まとめ

今回は日々紹介をテーマに仕組みや日雇い派遣との違い、メリットなどを解説してきましたが、いかがでしたか。

日々紹介は1日単位や30日以内といった、短期的な繁忙に合わせて人材を確保する上で、有効な手段と言えるでしょう。

直接雇用となるため雇用手続きや労務管理といった工数はかかりますが、派遣よりもコストを削減し、マッチングしやすいといった利点もあります。

ぜひこの記事を参考に、日々紹介の利用を検討してみていただければ幸いです。

給与前払いの福利厚生制度でスタッフの定着率アップ!

https://www.apseeds.co.jp/service/sokubarai/