• 人材派遣とBPOの違いが正直よくわからない
  • 人材派遣とBPOどちらを利用すべきかわからない

この記事は上記のようなお悩みを抱えておられる方に向けて、それぞれのサービス概要や対象業務、メリット・デメリットなどを解説していきます。

各サービスを利用すべきケースや、導入までの流れなども併せてご紹介しているため、ぜひ最後までご確認ください。

人材派遣とは

まずは人材派遣の概要や対象業務、メリット・デメリットについて確認していきましょう。

人材派遣の概要

人材派遣とは、派遣元企業が雇用する人材(以下、派遣スタッフ)を派遣先企業へと派遣して、労働力を提供するサービスです。

契約形態としては労働者派遣契約となり、派遣スタッフへの指揮命令権は派遣先企業が有しますが、雇用関係自体は派遣元企業にあります。

人材派遣はあくまで労働力の提供が目的であるため、派遣先企業側は人材の指定はできず、面接などを実施することもできません。

人材派遣の対象業務

人材派遣では事務や経理などのバックオフィス系の業務から、機械設計やプログラマーなどのエンジニア業務まで、幅広い業務が対象となります。

ただし以下の業務に関しては労働者派遣法第4条の規定により禁止されています。

  • 港湾運送業務
  • 建設業務
  • 警備業務
  • 病院などにおける医療関係業務

また以下の士業についても労働者派遣事業の対象にすることはできません。

  • 弁護士
  • 外国法事務弁護士
  • 司法書士
  • 土地家屋調査士
  • 公認会計士
  • 税理士
  • 弁理士
  • 社会保険労務士
  • 行政書士
  • 管理建築士

人材派遣のメリット

人材派遣を利用するメリットとしては以下のような点が挙げられます。

メリット①:幅広い人材を確保できる

先の職種で挙げたように、人材派遣では禁止されている業務以外どのような業務でも人材を確保でき、企業の幅広い人材ニーズに応えることができると言えます。

メリット②:社内にノウハウが蓄積される

派遣スタッフの中には高度で専門的なスキル・ノウハウを有した人材もいるため、そういった人材を起用することで、社内へのノウハウ蓄積に繋げられるでしょう。

メリット③:繁忙に合わせたスポット活用も可能

人材派遣は1〜3か月といったスポットでの活用が可能であるため、業務ボリュームに合わせて柔軟な人員調整が可能である点も大きなメリットと言えるでしょう。

人材派遣のデメリット

人材派遣のメリットを確認いただいたところで、デメリットも併せてご紹介します。

デメリット①:育成コストがかかるケースがある

派遣スタッフのスキルや経験次第では、業務開始後に育成が必要な場合があり、その分の工数がかかる点は注意が必要です。

デメリット②:就業期間の制限がある

派遣元企業に有期雇用されている派遣スタッフの場合、最長3年という就業期間が定められているため、長期にわたって同じ派遣スタッフを活用できないケースがあります。

デメリット③:離職リスクが比較的高い

派遣スタッフは正社員などと比べて、雇用元企業や職場に対する帰属意識が低い傾向にあるため、本人都合の離職などのリスクも比較的高いと言えます。

【補足】ユニット派遣とは?BPOの違いは?

補足としてユニット派遣について簡単に確認しておきましょう。

ユニット派遣とは、リーダーとなる派遣スタッフの下に数名の派遣スタッフを付けたユニット(あるいはチーム)単位で派遣するサービス形態のことです。

通常の派遣よりも大きな単位で業務を任せることができる上、リーダースタッフがメンバースタッフの教育や管理を担当するため、工数の削減に繋がります。

ただし派遣であることには変わりないため、リーダーに対する指揮命令などは実施する必要がある点は留意しておきましょう。

BPOとは

続いてBPOの概要や対象業務、メリット・デメリットについてご紹介します。

BPOの概要

BPOとはBusiness Process Outsourcingの略称で、業務プロセスを外部に委託することを指します。

BPOを依頼する側の企業はBPOベンダー側の従業員に対する指揮命令権を有しておらず、あくまで業務委託契約に基づいて、ベンダーが独立して業務を遂行することになるでしょう。

業務委託契約には、成果物の納品に責任が生じる請負契約と、業務プロセスの遂行自体に責任が生じる準委任契約の2パターンがあります。

BPOの対象業務

BPOの主な対象業務プロセスは以下の通りです。

  • 人事労務・採用関連業務
  • 経理・会計業務
  • 総務・庶務業務
  • 営業事務業務
  • 受付業務
  • コールセンター業務
  • ヘルプデスク業務

基本的にはバックオフィス系の業務が多く、利益を生み出すコア業務以外のノンコア業務が対象となるケースが多くなります。

BPOのメリット

BPOを活用することで得られるメリットとしては、以下のような点が挙げられます。

メリット①:コア業務に専念できる

BPOではノンコア業務に関するプロセス全体を外部に委託できるため、自社のリソースをより重要なコア業務に集中させることが可能です。

メリット②:業務品質が向上する

BPOでは各業務プロセスにおけるプロフェッショナルが業務を遂行していくため、業務プロセスの品質向上にも繋げられると言えます。

メリット③:業務プロセスの改善にも繋げられる

BPOベンダーは単に業務を遂行するだけでなく、業務プロセスの見直しに関する提案もしてくれるため、業務改善にも繋げられるでしょう。

BPOのデメリット

BPOを導入した場合のデメリットは以下の通りです。

デメリット①:ノウハウが蓄積されにくい

業務プロセス全体を委託することになるため、その業務プロセスに関するノウハウは社内に蓄積されにくいという特徴があります。 

デメリット②:セキュリティリスクがある

業務プロセスを委託するにあたって、業務遂行に必要な社内情報を開示しなければならず、外部流出などのリスクが生じると言えるでしょう。

デメリット③:業務状況を把握しにくい

BPOベンダー側が独立して業務を遂行することになるため、業務遂行状況の把握はしづらく、定期的にコンタクトや打ち合わせなどをする必要がある点はデメリットと言えます。

人材派遣とBPOの違い一覧表

ここまで解説してきた派遣とBPOの違いをまとめた表を以下に記載します。振り返りも兼ねてご確認ください。

人材派遣BPO
契約形態労働者派遣契約業務委託契約・請負契約・準委任契約
指揮命令権派遣先企業が有するBPOベンダー側が有する
メリット・幅広い職種の人材を確保できる・社内にノウハウを蓄積できる・スポット活用が可能・コア業務に集中できる・業務品質が向上する・業務プロセスを改善できる
デメリット・育成コストがかかる・就業期間の制限がある・離職リスクが比較的高い・ノウハウが蓄積されにくい・セキュリティリスクがある・業務状況が把握しにくい
対象職種・バックオフィス関連業務・エンジニアや企画業務※禁止業務以外のあらゆる業務事務や受付などのノンコア業務

表:人材派遣とBPOの違い一覧

人材派遣かBPOかを選択する際のポイント

ここからは人材派遣とBPOどちらを選ぶべきかの判断ポイントとして、それぞれ利用すべきケースについてご紹介します。

人材派遣を利用すべきケース

まず人材派遣を利用すべきケースとしては、主に以下の2つのケースが挙げられます。

ケース①:コア業務や非定型業務を任せたい

人材派遣では事務や経理などのノンコア業務だけでなく、製品開発や企画、マーケティングなどのコア業務へも従事してもらうことができます。

またその都度柔軟な対応が求められる非定型業務を任せたい場合も、柔軟に現場社員が指揮命令することが可能な人材派遣が適していると言えるでしょう。

ケース②:ノウハウを蓄積したい

人材派遣では、派遣スタッフと自社の従業員が同じ現場で業務に従事することになるため、派遣スタッフからノウハウやスキルを吸収することも可能です。

そのため事業推進にあたって必要なスキルやノウハウを社内に蓄積したい場合は、BPOではなく人材派遣を利用することをおすすめします。

BPOを利用すべきケース

続いてBPOを利用すべきケースとして、以下の2つのケースをご紹介します。

ケース①:業務プロセスごと任せて、工数を削減したい

BPOでは単一業務ではなく、例えば人事労務なら面接や採用、勤怠管理や給与計算まで、業務プロセス全体を任せることができます。

そのため業務プロセス自体の工数を削減したいという場合は、人材派遣ではなくBPOを活用すべきと言えるでしょう。

ケース②:短期間での業務品質改善を実現したい

短期間での業務品質改善を実現したい場合もBPOが適しています。

先にご説明したとおり、BPOでは各業務プロセスに関するプロフェッショナルが業務を遂行するため、短期間での業務品質改善が見込まれるでしょう。

各ベンダーの導入の流れと選定ポイント

最後に人材派遣とBPOそれぞれのサービス導入の流れと、サービスを選ぶ際のポイントについて解説します。

人材派遣の導入までの流れ

人材派遣サービスを導入する際の流れは、大きく以下のようになります。

  1. 求人要件の整理
  2. 派遣元企業への問い合わせ
  3. 求人に関するヒアリングを受ける
  4. 派遣スタッフのスキルシートが提供される
  5. 派遣スタッフ側の希望があれば、職場見学を実施
  6. スキルシートを基に採用可否の判断を行う
  7. 就業前準備(PCや作業服などの手配)
  8. 就業開始

人材派遣では冒頭でもお伝えした通り、個人を特定した上での面接行為が禁止されています。

そのため派遣元企業から提供されるスキルシートには「どういった業務に従事してきたか、どういったスキルを有しているか」といった点が記載されているだけで、個人に関する情報は一切記載されていない点は留意しておきましょう。

派遣元企業の選定ポイント

派遣元企業を選定するポイントは以下の通りです。

  • 優良派遣事業者かどうか
  • 得意な業種は何か
  • 人材を豊富に抱えているか
  • 営業担当のフォロー体制は充実しているか
  • 派遣料金は適切か

人材派遣を活用する場合、複数社に問い合わせを行い、それぞれの特徴や上記のポイントを見比べながら、どの派遣元企業を活用するか決めていくと良いでしょう。

BPOベンダーの導入までの流れ

BPOを導入するまでの流れは以下の通りです。

  1. 対象業務の選定
  2. BPOを利用する目的と対象業務課題の明確化
  3. BPOベンダーの選定
  4. 契約とSLA(業務品質水準などを定めたもの)の締結
  5. 運用開始・モニタリング

BPOを導入するには、まず社内で対象業務の選定を行い、その業務における目的や目標、課題を整理する必要があります。

これらの事前準備を怠ると導入がスムーズに進まなかったり、BPOのサービス品質が低下したりする恐れがあるため注意してください。

BPOベンダーの選定ポイント

BPOベンダーを選ぶ際のポイントとしては、以下のような点が挙げられます。

  • これまでの実績や専門性
  • セキュリティ対策の内容
  • 対象業務変更なども柔軟に対応してくれるか
  • 導入コストは適切か
  • 打ち合わせなどの頻度は適切か

BPOベンダーもそれぞれ得意とする業務領域が異なるため、自社で選定した業務プロセスに関する実績が豊富であるかといった点は必ず確認しましょう。

まとめ

今回は人材派遣とBPOの違いについて、それぞれのサービス概要などを踏まえて解説してきましたが、いかがでしたか。

人材派遣もBPOも、社内人材が不足する状況において有力な人材活用手段となります。

それぞれ適したケースやメリット・デメリットも異なるため、各サービスの特徴を把握し、自社の課題や状況に合わせて使い分けることで、事業発展に繋げられるでしょう。

ぜひこの記事を参考に、人材派遣やBPOのサービスをご活用ください。

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