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2020年10月に公布された労働者派遣法(に係る省令・指針)の改正が、2021年の1月・4月に分かれて順次施行されています。

今回の改正については、運用の改善や曖昧な点を明確化している要素が強く、大きな変更はありませんが、準備が不足している派遣先・派遣元向けに、改正の内容をまとめました。1月施行の項目に関しては既に適用が始まっている内容となりますが、新型コロナウイルス感染症の影響などにより、対応が間に合っていない方々の参考になれば幸いです。

2021年1月施行の改正内容

派遣労働者の雇入れ時の説明の義務化

派遣元が積極的に教育訓練やキャリアコンサルを行い、派遣労働者のキャリアに責任を持つよう、派遣元で行われる教育訓練について事前に説明することが周知努力義務から説明義務へと変更されました。

派遣労働者を雇入れる際に、教育訓練の内容やキャリア形成の考え方などを説明しなくてはならないため、現場のオペレーションを変更する必要があります。

派遣契約書の電子化が可能に

派遣元の管理台帳、派遣先の管理台帳、派遣労働者個人との労働契約については、すでに電子化が認められていましたが、派遣元と派遣先の間で交わす労働者派遣契約に関しては、書面での交付が義務付けられていました。今回の改正により、この派遣契約についても電磁記録でのやりとりが可能となり、書面の用意が不要となりました。

義務ではないため急いで対応する必要はありませんが、管理台帳などをすでに電子化している企業も多いかと思いますので、この機会に派遣契約書の電子化を整備すれば、契約書類などの管理もまとめられ楽になるでしょう。

派遣先における派遣労働者からの苦情処理

従来であれば、派遣先において派遣労働者が不合理や法令違反に遭遇した場合、派遣労働者は派遣元に苦情を言うことしかできませんでしたが、今回の改正により、派遣労働者からの苦情には、派遣先も誠実に主体的に対応すべきである、と示されました。

派遣先へ対応を求める内容となるため、派遣先がこの改正を把握していないと、適切に対応されないケースが出てくるかもしれません。場合によっては、派遣元から情報提供をすることも必要となるでしょう。

日雇派遣の契約解除に対する休業手当の支給

派遣労働者に責任のない理由で契約が解除となり、派遣元が派遣社員に対して新たな就業先を確保できない場合には、日雇い派遣であっても、休業扱いとし休業手当等を派遣元が支払う責任を果たすべきである、と明確化されました。

日雇い派遣を取り扱っている派遣元は、今一度、休業補償の適用などに関して見直す必要があります。

2021年4月施行の改正内容

雇用安定措置に係る派遣労働者からの希望聴取

雇用安定措置は、派遣元事業主に対して、派遣就業見込みが3年かつ継続就業を希望する派遣労働者について、以下のいずれかの措置を実施するように義務付けるもので、派遣労働者の雇用を守る目的で定められています。(派遣就業見込みが1年から3年未満の場合は努力義務となります)

①派遣先への直接雇用の依頼
②新たな派遣先の提供 (※能力、経験等に照らして合理的なものに限る)
③派遣元での無期雇用
④その他安定した雇用の継続を図るために必要な措置(有給の教育訓練、紹介予定派遣など)

引用:【厚生労働省】雇用安定措置について

今回の改正では、この措置がより適切に運用されるよう、どの措置を行うかについて、派遣労働者の希望を聴取し、派遣元管理台帳に記録・保存することが義務付けられました。

マージン率等のインターネットなどでの開示

労働者派遣法23条5項によって派遣元事業者に提供・開示が義務付けられている情報について、インターネット等の手段での開示が義務づけられます。こういった情報は2012年から既に開示が義務となっていますが、今後は企業ホームページ等から確認できるようにする必要があります。

開示が義務づけられている情報の例
  • 派遣労働者の人数
  • 派遣先の数
  • マージン率
  • 教育訓練や業務に関する特記事項

マージン率は低ければいいというわけではなく、マージン率が高くても、教育に力を入れてくれている企業もあります。こういった情報にアクセスしやすくなることは、派遣で働くことを希望する人が派遣元を選ぶ上で、とても良い判断機会を生むことになるでしょう。

参考:【厚生労働省】マージン率等の情報提供について

まとめ

いかがでしたか?2021年に施行される派遣法の改正内容についてまとめました。

今回の改正には物事が大きく変わるような目立った変更点はないため、企業での対応も限定的なものだと思います。1月の施行内容には派遣先へ対応を求めるものもありますので、対応が行われているかの確認も必要になるでしょう。

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