- 採用したアルバイト従業員が定着せず困っている
- アルバイト採用におけるミスマッチに悩んでいる
この記事は上記のようなお悩みを抱えている方に向けて、アルバイト採用におけるミスマッチの原因を踏まえ、防止する上でのポイントをわかりやすく解説します。
定着化におけるポイントも併せてご紹介しているため、ぜひ最後までご確認ください。
アルバイトの離職状況
採用のミスマッチについて解説する前に、アルバイトの離職状況について簡単におさらいします。
アルバイトの離職率
アルバイトの離職率は、正社員と比べて比較的高い傾向にあります。
上記のグラフは令和5年上半期の雇用動向調査から引用したものです。グラフにあるとおり、2023年におけるアルバイトの離職率は13.5%となっています。
同年の正社員の離職率が6.8%であることを踏まえると、約2倍の離職率となっており、アルバイトの離職率の高さがご理解いただけるでしょう。
アルバイトの離職理由
それではアルバイトの離職理由にはどのようなものがあるのでしょうか。
主な理由としては以下のような点が挙げられます。
- 低賃金など雇用条件が悪い
- 教育やフォローが不十分
- 職場の同僚と相性が悪い
- 求人に記載されている内容と実態とのギャップ
他にも生活環境の変化による離職なども見られますが、基本的には上記に挙げたような理由が大半を占めると言えるでしょう。
ミスマッチは離職に直結する
先に挙げた離職理由のうち、同僚との相性の悪さや求人と実態とのギャップはミスマッチが生じた結果です。
このように採用においてミスマッチが生じると離職に直結します。
アルバイトの採用においては、「ミスマッチをどれだけなくすことができるか」が大きなポイントになってくると言えるでしょう。
採用におけるミスマッチの概要
ここからは採用におけるミスマッチの概要を踏まえつつ、具体的にどのようなデメリットが生じるのかをご紹介します。
採用におけるミスマッチとは
採用におけるミスマッチとは、「求職者が求めている仕事や環境など」と、「企業側の実態や求めている役割など」とのずれが生まれてしまっている状態を表す言葉です。
業務内容や雇用条件はもちろんのこと、職場の人間関係や環境といった様々な要素で、ミスマッチが生じる可能性があります。
採用におけるミスマッチによって生じるデメリット
採用におけるミスマッチが起きると、以下のようなデメリットが発生します。
デメリット①:早期離職に繋がりやすい
一つ目に挙げられるのは早期離職に繋がりやすいという点です。
ミスマッチが生じたまま採用したアルバイトは、入社後に業務内容や職場環境に不満や違和感を覚え、業務へのモチベーションが低下します。
その状態を放置していると早期離職してしまう可能性が高くなるでしょう。
デメリット②:無駄なコストの発生
次に挙げられるデメリットは無駄なコストの発生です。
ミスマッチによって採用したアルバイトが早期離職してしまった場合、採用にかけたコストを回収できず、ただ予算を浪費しただけになってしまいます。
また欠員補充のために新たな人材を採用する必要も出てくるため、新たなコストが発生する点も留意しなければなりません。
デメリット③:既存従業員のモチベーション低下
既存従業員のモチベーションが低下することも、デメリットとして挙げられます。
ミスマッチが生じると、新しいアルバイトが早期離職を繰り返すことも多くなり、その分既存従業員の負担が増加します。
また、新人アルバイトに対して時間や工数をかけて教育しても辞めていってしまうため、そういった状況に対して不満を感じ、モチベーションも低下していくことでしょう。
そうなると最悪の場合、既存従業員の離職にも繋がりかねません。
デメリット④:生産性の低下
次に挙げられるデメリットは生産性の低下です。
ミスマッチの状態で採用したアルバイト従業員はモチベーションも低く、パフォーマンスを十分に発揮できません。
そういった状況下では、優秀なアルバイト従業員がモチベーションの低いアルバイト従業員のフォローに回る機会も多くなり、結果として職場全体の生産性が低下してしまうでしょう。
デメリット⑤:企業イメージの低下
ミスマッチの状態が常態化し、早期離職などが頻出することで、企業イメージの低下に繋がる恐れがあります。
現代はSNSがあるため、離職者がネガティブな情報を拡散しないとも限りません。
もしネガティブな情報がSNS上で拡散されれば、企業イメージが損なわれ、将来的な採用機会の減少にも繋がりかねない点は注意しなければなりません。
アルバイト採用でミスマッチが生じる原因
次にアルバイト採用においてミスマッチが生じる原因をご紹介します。
原因①:適切に情報を伝えられていない
原因の一つ目に挙げられるのは、適切に情報を伝えられていないという点です。
求人媒体によって情報が異なっていたり、情報に抜け漏れがあったりと、求人情報を正しく伝えられていない場合はミスマッチに繋がりやすいでしょう。
業務内容や給与、労働時間といった必要最小限の情報しか提供していない場合も、ミスマッチの可能性が高まります。
原因②:企業の課題や弱みについて伏せている
原因として次に挙げられるのは、企業の課題や弱みについて伏せているという点です。
ネガティブに取られかねない情報をあえて伏せてしまっている企業も散見されますが、いくら求人や選考のタイミングで隠しても、入社後すぐに露呈してしまうでしょう。
そうなると結果的にミスマッチとなる上、アルバイトからの印象も悪化することになります。
原因③:採用ターゲットが定まっていない
次に原因として挙げられるのは、採用ターゲットが定まっていないという点です。
そもそもどういった人材を採用ターゲットとするのかが曖昧である場合、自社と相性の良い人材を見極めることができません。
そうなると選考過程において、自社との相性が悪い人材も採用してしまう可能性があり、ミスマッチが生じやすくなります。
原因④:採用基準が不明確
採用基準が不明確である場合も、ミスマッチが発生しやすいと言えます。
採用ターゲットと併せて採用基準が曖昧な状態では、採用担当者によって判断軸が異なるといった状態に陥り、採用する人材の適性やタイプにバラつきが生じます。
その結果、自社との相性が悪い人材も採用してしまい、ミスマッチに繋がってしまうでしょう。
原因⑤:企業側が期待している役割を伝えられていない
続いて挙げられるのは、企業側が期待している役割を伝えられていないという点です。
求人や面接において、企業が期待している役割やキャリアイメージなどを伝えられていない場合、アルバイトが考えているキャリアビジョンとずれが生じる可能性があります。
そういった状態になると、アルバイト側が「思っていたような職場ではなかった」といった感情を抱き、ミスマッチによる早期離職が発生しやすいでしょう。
原因⑥:求職者に対する理解が浅い
原因の最後に挙げられるのは、求職者に対する理解が浅いという点です。
アルバイトの場合、正社員を採用するよりも選考過程が少なく、手軽に採用される傾向があります。
その場合、求職者について深く理解せずに採用してしまい、実際に働きだした後に「考えていたような人材ではなかった」といったミスマッチに陥りかねないでしょう。
アルバイト採用のミスマッチをなくす8つのポイント
ミスマッチが生じる原因を押えていただいたところで、ここからはアルバイト採用のミスマッチをなくすポイントを2つのプロセスに分けてご紹介します。
採用戦略プロセスにおけるポイント
まずは採用戦略プロセスにおけるポイントを見ていきましょう。
ポイント①:過去従業員の離職理由を分析
一つ目のポイントは過去の従業員の離職理由を分析するという点です。
過去に在籍していたアルバイト従業員がどういった理由で離職してしまったのかを振り返り、傾向などを洗い出すことで、自社の採用活動における課題を把握できるでしょう。
そこで把握した課題を基に、採用戦略や施策、提供している情報などの改善に取り組むことで、ミスマッチの削減に繋げることができます。
ポイント②:採用ターゲットと採用基準を明確にする
二つ目に挙げられるのは、採用ターゲットと採用基準を明確にするという点です。
採用戦略を立てる段階で、自社の業務内容や職場環境、従業員との相性がよい人物像を分析し、具体的な採用ターゲットや採用基準を立てておきましょう。
採用ターゲットと採用基準を明確にし、採用に関わる関係者で共通認識を持つことができれば、一貫性のある採用活動を行え、ミスマッチを防止できます。
ポイント③:リファラルなどの採用方法も導入する
リファラルなどの採用方法を導入することで、ミスマッチの削減を実現しやすくなるでしょう。
人材紹介サービスなどを活用した場合、どうしても第三者を介することになり、ミスマッチが生じる可能性も高まります。
その点、既存従業員から知人・友人を紹介してもらうリファラルや、求職者と直接コミュニケーションを図るダイレクトリクルーティングなどは、ミスマッチが発生しにくいという特徴があります。
ポイント④:採用メディアを活用する
採用メディアを活用するという点も、重要なポイントになるでしょう。
採用に特化したオウンドメディアを立ち上げ、業務内容といった情報だけでなく、職場の雰囲気や既存従業員のインタビューといった情報を提供することで、リアルな現場を知ってもらうことが可能です。
その結果、求職者側の企業理解が深まり、ミスマッチの削減に繋がります。
選考プロセスにおけるポイント
選考プロセスにおけるポイントとしては、以下のような点が挙げられます。
ポイント⑤:従業員との交流の機会を設ける
選考プロセスにおけるポイントとしてまず挙げられるのは、従業員との交流の機会を設けるという点です。
面接とは別に既存の従業員と交流できる機会を設けることで、オウンドメディアや求人情報、面接だけでは伝えきれない雰囲気などを求職者に伝えることができます。
実際に交流することで、従業員との相性なども判断しやすくなるため、ミスマッチの防止に大きく貢献するでしょう。
ポイント⑥:カジュアル面談の実施
続いて挙げられるのは、カジュアル面談の実施です。
カジュアル面談とは、カジュアルな雰囲気でお互いの理解を深めるために行われる面談を指します。
カジュアル面談を活用することで、面接という空気感の中では聞けないような情報を求職者から聞き出したり、より深い企業情報を伝えたりできるため、相互理解が深まることが期待できます。
ポイント⑦:期待する役割やネガティブな情報を明確に伝える
期待する役割やネガティブな情報を明確に伝えるという点も、ポイントになるでしょう。
求人や面接などの場において、企業側が期待する役割は勿論、職場の課題や弱みなども隠さずに伝えることで、求職者側の認識とすり合わせることができます。
これらの情報を明確に伝えることで、自社と合わない求職者は自然とふるいにかけられていくため、ミスマッチの防止に繋げられるでしょう。
ポイント⑧:求職者のキャリアビジョンを聞き出す
ポイントの最後にご紹介するのは、求職者のキャリアビジョンを聞き出すという点です。
たとえば、自社としてはアルバイトからの正社員登用を考えているにも関わらず、求職者側が一時的な就業を前提としている場合、ミスマッチになってしまいます。
そのため求職者がアルバイトでの仕事を含めて、将来どういったキャリアを実現したいのかを聞き出し、自社のキャリアイメージとのギャップがないかを確認しましょう。
ミスマッチの防止だけでなく定着化も重要
最後にミスマッチの防止と関連して、定着化についても簡単に押さえておきましょう。
定着化の取り組みの重要性
ミスマッチの防止に取り組むことで、早期離職などのリスクを低減することが可能です。
しかし冒頭でご紹介した離職理由の中にもあったように、入社後のフォローや教育が不足することで離職してしまうケースもあります。
これらのケースに対してはミスマッチの防止策だけでは対応できず、定着化のためのアプローチが必要になるでしょう。
アルバイトの定着化におけるポイント
アルバイト従業員に定着してもらうには、以下のようなポイントを踏まえた取り組みを行う必要があります。
- 適切な評価制度の確立
- 教育制度の充実化
- メンター制度の導入
- 福利厚生の充実化
- 業務指示を丁寧且つ明確に行う
- シフトなどの柔軟な調整
- 働きやすい環境の構築
これらの点を踏まえて、アルバイト従業員の雇用管理や業務マネジメントに取り組むことで、長く安定的に働いてもらえるでしょう。
まとめ
今回はアルバイトのミスマッチをなくすポイントをテーマに、ミスマッチが生じる原因や定着化も併せて解説してきましたが、いかがでしたか。
人材不足が過酷化している現代において、アルバイトといった非正規社員も貴重な人的資源となります。
費用や時間をかけて採用したアルバイト従業員が離職してしまうと、企業としても大きな損失となるため、ぜひ本記事でご紹介したポイントを参考に、採用活動やマネジメントに取り組んでください。
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