- 採用代行(RPO)とは何かについて知りたい
- RPOのメリットやデメリットを知りたい
- RPOに委託できる業務内容や委託の流れを知りたい
この記事は上記のような思いをお持ちの方に向けて、採用代行(RPO)の概要からメリット、デメリットなどをまとめて解説していきます。
委託できる業務や依頼までの流れは勿論、委託におけるポイントについても解説していますので、ぜひ最後までご確認ください。
採用代行(RPO)とは
まずはRPOの基本知識として、概要や利用を検討すべきケースについて解説していきます。
RPOの概要
RPOの概要として、定義や人材紹介との違い、費用体系について見ていきましょう。
RPOの定義
RPOとはRecruitment Process Outsourcingの略称で、企業の採用に関する業務全般を外部委託することを指します。採用代行とも呼ばれており、ベンダーが自社に代わって採用業務を行ってくれるサービスです。
採用コンサルティングと混同されるケースがありますが、採用コンサルティングはあくまで採用計画などの立案をサポートしてくれるサービスであり、あくまで活動の主体は自社になります。
採用代行は主体がベンダーになるので、その点が異なると言えるでしょう。
RPOと人材紹介との違い
先ほどRPOと採用コンサルティングは異なるとお伝えしましたが、関連して人材紹介サービスとの違いについても押さえておきましょう。
人材紹介サービスは求人作成や募集対応はしてくれますが、採用計画立案や面接、内定者フォローといった工程の対応は含まれていません。
その点RPOでは求人作成や募集対応は勿論のこと、先に触れた計画策定から内定者フォロー、入社対応に至るまで、一貫して代行してくれるサービスとなっています。
RPOの費用体系
RPOを活用する際、当然委託費用が掛かってくることになりますが、ベンダーによって費用体系が異なります。
RPOの費用パターンは大きく以下の3種類となっているので、押さえておきましょう。
- 費用パターン①:従量課金型
- 費用パターン②:月額固定型
- 費用パターン③:成果報酬型
RPOの利用を検討すべきケース
ここからはRPOを利用すべきケースとして、以下の3つのケースをご紹介します。
ケース①:採用人数が多い
まずは採用人数が多いケースが挙げられます。採用人数が多ければ、それだけ採用活動の工数が多大なものになります。
そういった場合、RPOを利用することで工数削減の効果が高くなるでしょう。
ケース②:募集している職種が多い
続いては募集している職種が多いケースです。募集職種が多いと採用活動が複雑化し、採用担当者の負荷が高まってしまうでしょう。
その点RPOを活用すれば、そういった負荷を削減することができます。
ケース③:採用ノウハウやリソースが不足している
採用ノウハウやリソースが不足している場合も、利用を検討すべきでしょう。
専任の採用担当者を配置できなかったり、ノウハウが不足していたりする場合、採用活動を行っても効率が悪く、効果も上がらない可能性が高まります。
こういったケースに当てはまる場合、RPOの利用をおすすめします。
RPOのメリットとデメリット
続いてRPOのメリットとデメリットについて解説していきます。
RPOのメリット
まずはRPOのメリットとして、以下の4点をご紹介します。
メリット①:採用活動の質が向上
一つ目のメリットは採用活動の質が向上するという点です。
RPOのベンダーは、採用のプロフェッショナルとしての経験や知見を持っています。そのため自社だけで採用を行った場合と比較し、より質の高い採用活動を実現できる可能性が高くなります。
採用リソースやノウハウが不足している中でRPOを導入した場合、質の向上をより一層実感できるでしょう。
メリット②:採用活動の効率化
RPOでは希望に合わせて、幅広く採用活動を代行してもらうことができます。
そのためターゲット人材の設定や面接といった、コアな業務にリソースや工数を集中させることができ、採用活動の効率を高めることが可能です。
また採用活動全体の委託もできるため、活用次第で採用工数を大幅に削減できる点も見逃せません。
メリット③:自社にはない専門的なノウハウを活用できる
専門的なノウハウを活用できる点もメリットと言えるでしょう。
先述の通り、RPOを提供するベンダーは採用のプロフェッショナルとして活動しており、様々な業界・企業での採用実績や事例について精通しています。
こういった自社にはない高度で専門的なノウハウをフルに活用できる点は、RPOの大きなメリットと言えます。
メリット④:採用担当者がいなくても採用活動を開始できる
採用担当者がいなくても採用活動を開始できる点もメリットとなります。
RPOでは採用活動全般を委託できるため、たとえ社内に採用専門の部署や担当者がいなくても、採用活動を行うことが可能です。
専門的なノウハウを持たない現場責任者が採用を行っている企業もありますが、そういった企業こそRPOのメリットを最大化できると言えます。
RPOのデメリット
RPOのデメリットとしては、以下の4点が挙げられます。
デメリット①:採用ノウハウが蓄積されにくい
RPOを活用している場合、採用活動に直接的に関わっているのはあくまでベンダーであるため、採用活動に関わる経験やノウハウは蓄積されにくくなります。
そのためRPO終了後、その採用効果を自社で再現することが難しい可能性があります。
特に全ての採用活動をRPOに任せている場合は、このデメリットが顕著になるので注意が必要でしょう。
デメリット②:委託費用の発生
二つ目のデメリットとしては委託費用が発生する点が挙げられます。
どの費用体系なのかは勿論、どの範囲まで任せるかによって掛かってくる費用は大きく異なりますが、いずれにせよ委託費用は発生します。
採用活動を自社で対応していても費用は生じるため、どこに費用を割くかの考え方とも言えますが、決して安くはない費用が掛かる点は留意しておくべきでしょう。
デメリット③:委託先の力量によって効果が左右される
委託先の力量によって採用成果が左右される点も、デメリットと言えます。
RPOのベンダーも数多くありますが、ベンダーによって当然パフォーマンスの差があります。
もし適切なベンダーを選べなかった場合、効果が出るどころか、企業イメージの低下に繋がる恐れもあります。
そのためRPOを利用する際は、適切なベンダーを選ばなければなりません。
デメリット④:モニタリングなどの工数は掛かる
また定期的な打ち合わせなどのモニタリングに工数が掛かる点も忘れてはいけません。
「全てをお任せします」というスタンスでRPOを活用してしまえば、ベンダーのパフォーマンスも把握できず、支払った費用の割には効果が出ていないという事態になりかねません。
そのためRPOを活用して、採用活動の大半を委託するとしても、定期的な打ち合わせや成果のモニタリングといった工数は確保する必要があります。
RPOで委託できる業務
次にRPOで委託できる業務について5つのカテゴリに分けてご紹介していきます。
委託できる業務①:採用計画関連の業務
委託できる業務としてまず挙げられるのは、採用計画関連の業務です。
採用活動における上流工程の部分と言え、以下のような業務に細分されます。
- 採用課題分析
- 採用ターゲットの策定
- 採用ターゲットに対して訴求すべきポイントの整理
- 採用スケジュール策定
この辺りは採用コンサルティングの領域とも重なる部分があり、RPOベンダーの中にもコンサルティングを含めて対応してくれるところがあります。
委託できる業務②:母集団形成関連の業務
採用活動においてどのように母集団を形成していくのかは、大きなウェイトを占める重要な業務と言えますが、その部分もRPOでは委託できます。
具体的には以下のような業務を委託することが可能です。
- 募集計画策定
- 採用広報やプランの策定
- 求人原稿の制作
- 求人媒体業者のディレクション
- 説明会やセミナーの手配・実施
この辺りの業務は人材紹介サービスとやや重複する部分がありますが、RPOの方がより深い部分まで任せることができます。
そのため複数の人材紹介サービスを活用している場合、RPOに切り替えるというのも一つの方法でしょう。
委託できる業務③:選考関連の業務
RPOでは選考に関連する業務も委託することができます。
選考関連の業務は人材紹介サービスでも対応しているケースは少なく、ここを任せられる点はRPOの魅力と言えるでしょう。
具体的な業務としては以下の通りです。
- 応募書類の管理
- 書類選考の実施
- 面接の実施
- 面接結果のフィードバック
選考関連業務を委託できれば、採用活動の効率を飛躍的に高めることができます。
ただしベンダーと密な連携を取り、上手くハンドリングしなければ、企業イメージの低下にも繋がるため注意が必要です。
委託できる業務④:内定・フォロー関連の業務
続いてご紹介する委託できる業務は内定・フォロー関連の業務です。
内定やフォロー関連は委託できるイメージがあまりないかもしれませんが、RPOにおいては、こういった業務も任せることができます。
具体的な業務としては以下のような業務が挙げられます。
- 採用候補者への合否連絡
- 内定者フォロー施策の企画・立案
- 入社書類の作成
- 入社日の調整
内定・フォロー関連の業務も先の選考関連業務と同じく、ベンダーとしっかり連携を取りながら進めていく必要があります。
委託できる業務⑤:定着支援関連の業務
委託できる業務の最後にご紹介するのは、定着支援関連の業務です。RPOでは就業開始後の定着の部分まで支援してもらうことができます。
具体的には以下のような業務を任せることが可能です。
- 入社後の状況確認面談の実施
- アンケート実施
- 採用担当者へのフィードバック
- 導入研修の企画
RPOを依頼する流れとポイント
最後にRPOを依頼する流れとポイントについて解説していきます。
RPOに依頼する流れ
まずRPOに依頼する流れについて見ていきましょう。
ベンダーによって細部の違いこそありますが、主に以下の流れで依頼することになります。
- 採用ターゲット・要件などの設定
- 事前のヒアリング・打ち合わせ
- アウトソーシングプランの提案・検討
- 業務委託契約を締結
- 採用代行活動の開始
- モニタリング・定期面談の実施
採用ターゲットやその他の要件については、ベンダーとの打ち合わせ前に明確化しておく方が良いでしょう。
この辺りが曖昧なまま、ベンダーの提案をそのまま受け入れるだけでは、結局自社の欲しい人材の採用に繋がらない可能性があるので注意が必要です。
RPOに依頼する際のポイント
最後にRPOに依頼する際のポイントとして以下の3点をご紹介します。
ポイント①:ベンダーに丸投げしない
一つ目のポイントはベンダーに丸投げしないという点です。
代行してもらうとはいえ、ベンダーに丸投げすることなく、ターゲットの明確化や要件定義は自社でしっかりと行うことが重要となります。
また実際の運用が始まってもベンダーと密に連携を取り、しっかりと現在の状況や成果、課題などを確認していくことを忘れないようにしましょう。
ポイント②:ベンダーを見極める
またベンダーを見極めることも大きなポイントになります。
実績やセキュリティ面は勿論のこと、得意な領域や職種なども確認しましょう。他にも実際にそのベンダーを活用した企業の評価・事例、委託に係る費用などをチェックすることも重要です。
それらを総合的に評価し、自社と相性が良いと判断したベンダーに依頼すべきでしょう。
ポイント③:SLAを締結する
SLAとはService Level Agreementの略称で、ベンダーと利用者の間で締結するものです。
SLAではサービスの定義や範囲、達成目標などを、業務委託契約よりも詳細に定義することになります。
これを締結することで、RPOのパフォーマンス評価も正しく行うことができ、ベンダーに対しても適切にディレクションしていくことができるでしょう。
まとめ
今回は採用代行(RPO)の概要やメリット、委託できる業務などをまとめて解説してきましたが、いかがでしたか。
求職者の価値観の多様化が進み、新しい採用手法も次々と登場する中で、多くの企業は採用活動に課題を抱えています。その採用活動における課題の解決策として、RPOは有効な施策となり得ます。
ただしベンダーに任せきりにするのではなく、自社も主体性を持って関わっていくことがRPOで効果を出す秘訣です。
ぜひこの記事を参考にRPOの活用をご検討いただければ幸いです。
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