給与前払いサービスとは、給与の日払い・週払いができる福利厚生サービスです。導入することで、給料日に縛られない柔軟な給与支払いを実現できます。

せっかくお金をかけて導入するのですから「便利に使ってほしい」「快適に運用したい」「とにかくサービス選びに失敗したくない」そんな風に考えるのは当然のことです。そこで今回は、給与前払いサービスの導入失敗例と、導入する際の注意点をご紹介します。

給与前払いサービスの導入失敗事例とその原因

従業員負担の手数料が高く、使ってもらえない

『せっかく給与前払いサービスを導入したのに思ったほど利用してもらえず、これでは導入した意味がない…!』よく見てみると、従業員負担となる手数料がけっこう高額になってしまっていた、といった事例があります。

初期費用や月額費用など、企業負担となるコストはできるだけ削減したい!と考える場面も多いかもしれませんが、そのためのしわ寄せが従業員に向かってしまっては意味がありません。従業員のための福利厚生ですので、利用がしにくくては意味がなくなってしまいます。企業の負担を抑えるのももちろん重要ですが、従業員の負担についても、事前に気にしておくことをおすすめします。

データ作業やサポート業務が思ったより大変

『給与前払いサービス自体は従業員に好評だが、運用に関わる部署から悲鳴が上がっている…!』サービス運用のためのデータ作成や、利用に関する問合せ対応の煩雑さが想定以上となり、運用継続が難しくなってしまった事例です。

給与前払いサービスを運用するには、利用者を把握・管理するための「従業員データ」と、前払い可能額を計算するためのベースとなる「勤怠データ」が必要不可欠です。とくに日払い対応する場合だと「勤怠データ」は1日単位での更新が必要となるため、データ連携のためにいちいち加工作業が必要になってしまうと、スムーズな運用はなかなか望めません。

サービス提供会社によっては、データの加工が一切不要なものもあります。価格だけでなく、具体的な運用負荷についてもしっかりシミュレーションしておきましょう。

▽勤怠データの共有体制など、給与前払いサービス導入時の準備についてはこちら
給与前払いの導入は『面倒』?よくある誤解と必要な準備について

導入準備に時間がかかる

『面倒な手続きが多くてなかなかスタートできず、運用前から息切れしてしまった…』

給与前払いサービスの導入準備のなかで、少々面倒なのが金融機関関連の手続きです。提供会社によって提携している銀行が異なるため、新規での口座開設が必要になると、思ったより時間を取られてしまった、と感じるケースも多いようです。

サービス提供会社がどこの金融機関と提携しているか、新規で口座開設する必要あるのか、も事前に確認しておきましょう。

給与前払いサービス導入検討時の注意点

コンプライアンスリスクに注意

給与前払いサービスのなかには、法令を遵守している、とは言い切れないサービスもあるようです。関連法律、とくに労働基準法に関する知識がないと、コンプライアンスリスクを避けることができません。給与前払いサービスを比較検討する際は、労働基準法をはじめとする関連法律に関しても、事前にチェックしておくことをおすすめします。

▽給与前払いサービスに関連する法律についてはこちら
給与前払いサービスに関連する法律とは?導入前に知っておきたい基礎知識

運用負担に注意

給与前払いサービスは、給料日に縛られずに給与を受け取ることができる、従業員にとってうれしい福利厚生です。しかし、送金手数料やデータ更新、制度の案内や問合せ対応など、企業が負担しなければならないコストや運用関連業務も必ず発生してしまいます。

こういった負担は、給与前払いサービスの選び方次第で小さくできます。導入後の運用維持のしやすさも考慮したサービス検討が大切です。

まとめ

いかがでしたか?今回は給与前払いサービス導入時の失敗例と、導入する際の注意点をご紹介しました。

一度スタートさせた制度を止めるのはなかなか難しいもの。せっかく新しいサービスを導入するのですから「従業員の不評を買う」「社内に不満の声が生まれる」というような失敗は避けたいですよね。ご紹介した事例や注意点を参考に、サービス選びや導入を進めてみてください。

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