派遣会社における課題として、スタッフの勤務先が複数に分かれることや、短期間の派遣スタッフが多いことから、勤怠管理に手間がかかる点が挙げられるでしょう。従来の紙のタイムカードやICカードに代わり、近年は、スマートフォンでQRコードを読み取るだけで出退勤を打刻できる「QRコード勤怠」が注目されています。

本記事では、QRコード勤怠の仕組みやメリット、導入時の注意点を派遣会社向けに解説します。派遣会社における導入事例や、システム選びのポイントもまとめているので、ぜひ参考にしていただけますと幸いです。

QRコード勤怠とは

QRコード勤怠とは

QRコード勤怠は、従業員がスマートフォンでQRコードを読み取るだけで出退勤を打刻できる勤怠管理方法です。紙やICカードと比べて初期コストや管理負担が少なく、複数の勤務先を持つ派遣スタッフの勤怠管理に向いています。

ここでは、QRコード勤怠の仕組みやほかの方法との違いを解説します。

QRコード勤怠の仕組み

QRコード勤怠は、派遣スタッフが勤務先に掲示されたQRコードをスマートフォンで読み取ることで、簡単に出退勤を打刻できる仕組みです。派遣会社の場合、具体的に以下のような流れで利用できます。

  1. 各派遣先企業にQRコードを掲示する
  2. 派遣スタッフが出退勤時にスマートフォンでQRコードを読み取る
  3. 出退勤の打刻データがクラウド上に自動で反映される

読み取った打刻データはクラウド上に即時反映されるため、出勤簿やExcelへの転記作業が不要になります。また、複数の派遣先企業で勤務するスタッフの勤怠も一元管理でき、正確性と効率性の両方を高められる仕組みです。

紙のタイムカードやICカード打刻との違い

QRコード勤怠は、紙のタイムカードやICカード打刻と比べて手間やコストの面で違いがあります。

紙のタイムカードは、打刻漏れや転記ミスが起こりやすく、勤務時間の集計作業に手間がかかります。また、ICカードや生体認証による打刻は、カードや端末の準備、社員情報の登録といった導入作業が必要です。特に、短期雇用の派遣スタッフにICカードを用意するケースでは、コスト面や管理面での負担が大きくなりがちです。

一方、QRコードを活用した勤怠管理なら、派遣スタッフが自分のスマートフォンで打刻できます。そのため、従来の紙のタイムカードやICカードと比べて管理者の手間やコスト負担を減らせるメリットがあります。

派遣会社にQRコード勤怠が向いている理由

QRコード勤怠は、派遣会社に適した勤怠管理方法の一つです。派遣スタッフは勤務地が複数に分かれるケースが多く、紙のタイムカードやICカードを使った勤怠管理は煩雑になりやすいからです。

紙のタイムカードによる勤怠管理では、各現場での打刻データを集めるために、郵送・転記・集計する手間がかかります。一方、QRコード勤怠ならスタッフのスマートフォンを利用して手軽に導入できます。そのため、設立間もない派遣会社や小規模事業者でも、低コストで効率的に勤怠管理を始められる点が魅力です。

派遣会社がQRコード勤怠を利用するメリット

派遣会社がQRコード勤怠を利用するメリット

QRコード勤怠を導入すると、派遣会社の勤怠管理を効率化できるメリットがあります。以下で、具体的なメリットを3つ解説するので、導入を検討する際の参考にしていただけますと幸いです。

勤怠管理の手間を減らせる

QRコード勤怠を利用すると、勤怠管理の手間を減らせます。従来の紙のタイムカードの場合、出勤簿やExcelへの転記・集計作業が必要になり、多くの事務工数がかかるだけではなく、人的ミスも起きやすい課題があります。

QRコード勤怠なら、派遣スタッフがQRコードを読み取るだけで出退勤が自動集計されるため、紙ベースで必要とされていた週次・月次の集計作業が必要ありません。なお、QRコード勤怠の導入によって勤務管理の手間を減らせる点は、派遣会社だけでなく派遣先企業にとってのメリットにもなります。

初期費用をかけずに導入できる

QRコード勤怠は、初期費用を抑えて手軽に導入できる点もメリットです。手持ちのスマートフォンとQRコードがあれば利用できるため、ICリーダーや専用端末を用意する必要がありません。

また、勤怠管理システムにはクラウド型とオンプレミス型があり、クラウド型であればサーバーを自社で用意する必要がなく、初期費用や導入工数を大幅に抑えられます。QRコードにも対応しているクラウド型の勤怠管理システムのなかには、1ユーザーあたり月額100円程度から利用できるものもあります。

そのため、設立間もない派遣会社や小規模事業者でも、低コストかつ効率的な勤怠管理が可能です。

不正打刻の防止につながる

QRコード勤怠は、不正打刻の防止にも役立ちます。GPS打刻機能を搭載したシステムなら、派遣スタッフが打刻した時間や場所がシステムに自動で記録され、不正やなりすましの抑制が可能です。

また、従来の紙のタイムカードでは把握しづらかった勤務場所や時間の誤りも、クラウド上でリアルタイムに管理できるため、勤怠データの正確性が向上します。その結果、派遣先企業からの信頼も高まり、管理者の安心感にもつながるでしょう。

派遣会社がQRコード勤怠を利用する際の注意点

派遣会社がQRコード勤怠を利用する際の注意点

QRコード勤怠は手軽に効率的な勤怠管理を実現できる一方で、運用時にはいくつかの注意点があります。不正打刻への対応を明確にしたり、派遣先ごとのルール調整などを事前にしたりしておくと、トラブルを防ぎつつスムーズな運用が可能になります。

以下で、派遣会社がQRコード勤怠を利用する際の注意点を詳しく見ていきましょう。

スマホを使うデメリットも理解する

QRコード勤怠を利用する際は、スマートフォンを使うデメリットも把握しておく必要があります。

QRコード勤怠はスマートフォンでの打刻を前提としています。しかし、派遣スタッフ全員が必ずしも端末を所有しているとは限りません。特に、短期派遣や高齢層のスタッフが多い現場では、端末未所持や操作への不安が課題となる場合があります。

また、スマートフォンの充電切れや通信環境の不具合により、出退勤の打刻ができないケースも想定されます。こうした事態に備え、代替となる打刻方法や管理者による後日修正のルールをあらかじめ定めておくことが重要です。例外対応を含めた運用体制を整えることで、より正確で安定した勤怠管理につながります。

不正打刻を完全に防げるわけではない

QRコード勤怠を導入しても、不正打刻を完全に防止できるわけではない点には注意が必要です。QRコードは手軽に利用できる一方で、出退勤用のコードを撮影して別の場所から打刻するといった不正が起こる可能性も否定できません。

具体的には、以下のような対策を組み合わせることで、不正の抑止力を高められます。

  • QRコードを定期的に変更する
  • GPSによる位置情報を取得する
  • 特定のIPアドレスからのみ打刻を許可する設定にする

また、システムの機能に頼るだけでなく、不正が発覚した場合の対応ルールや是正フローをあらかじめ明確にしておくことも重要です。技術面と運用面の両方から対策を講じることで、より実効性のある勤怠管理を実現できます。

派遣先ごとに運用ルールが必要になる場合がある

派遣会社がQRコード勤怠を導入する場合には、派遣先企業の就業規則や勤怠管理体制との整合性も考慮する必要があります。派遣会社が単独で運用を決めてしまうと、派遣先企業の既存の勤怠管理体制と矛盾が生じる可能性があるからです。

例えば、QRコードの設置場所や打刻のタイミング(始業前・始業後など)が派遣先企業と共有できていない場合、現場での混乱や打刻漏れにつながるおそれがあります。そのため、事前に派遣先企業と運用ルールについてすり合わせておくことが不可欠です。

あわせて、打刻修正の申請方法や承認フローを明確にし、管理者・派遣スタッフ・派遣先企業の間で共通認識を持っておくと、現場ごとのトラブルを防ぎ、安定した運用が可能です。

【導入事例】QRコード勤怠の利用で得られる効果

【導入事例】QRコード勤怠の利用で得られる効果

ここでは、QRコード対応の勤怠管理システムの導入事例と具体的な効果を紹介します。

A社B社
具体的な取り組み勤怠管理システムとの連携が可能なQR出退勤機能付きの人材派遣管理システムを導入QRコードで打刻するIoTデバイスを導入+勤怠管理システムへの水平展開を実施
QRコード勤怠の
導入による効果
・約1,000人の派遣スタッフの勤怠データを取り込む作業にかかる日数を5営業日から1営業日まで短縮
・勤怠データの確認作業を2営業日目に行い、3営業日目には勤怠データに基づく請求書を送付可能
・設置およびメンテナンスが容易なため、従来の勤怠管理システムと比較して導入・運用コストを大幅に削減
・全スタッフの出退勤時刻を一元管理できるようになり、サービス残業の防止と適切な労務管理を実現

QRコード勤怠は大量の派遣スタッフを抱える企業でも業務負担を軽減でき、コストと効率の両面で効果を発揮します。特に、紙や専用端末に依存しない運用は、派遣会社にとって大きなメリットといえるでしょう。

派遣会社向け|QRコード勤怠の導入ステップ

派遣会社向け|QRコード勤怠の導入ステップ

派遣会社がQRコード勤怠を導入する際は、以下のような流れで進めるとスムーズです。

  1. 打刻データを管理する勤怠管理システムを選定する
  2. 無料トライアルを利用して操作性や機能を確認する
  3. システム上でQRコードを生成する
  4. 派遣先企業に相談して現場にQRコードを設置する
  5. 打刻方法や修正ルールを社内規定に落とし込む
  6. 派遣スタッフへ使い方を周知・説明する
  7. 運用開始後は定期的に勤怠データを確認して改善を図る

また、導入前には派遣スタッフ全員がスマートフォンを所有しているか、QRコードの読み取り操作が問題なく行えるかを確認しておくことも重要です。しっかりと事前準備をすることで、導入後の混乱を防ぎ、安定した運用につながります。

派遣会社向け|QRコード対応の勤怠管理システムの選び方

派遣会社向け|QRコード対応の勤怠管理システムの選び方

QRコード対応の勤怠管理システムを選ぶ際は、派遣業務に適した機能が備わっているかを重視することが重要です。派遣会社では複数の派遣先や多様な働き方を管理する必要があるため、汎用的な勤怠管理システムでは対応しきれないケースもあります。

システム選びの際は、具体的に以下のような点を確認しましょう。

  • 派遣先別に勤怠を管理できるか
  • 打刻情報がリアルタイムで反映・集計されるか
  • 残業時間を管理できるか
  • シフト管理ができるか
  • 不正打刻を防止する機能があるか
  • CSV出力が可能か

また、初期費用や月額費用、オプションなどの追加コストを含めた総費用を比較することも欠かせません。導入前には無料トライアルを活用し、管理画面の見やすさや操作性、サポート体制を確認することで、現場に定着しやすいシステムを選びやすくなります。

まとめ

QRコード勤怠は、派遣スタッフがスマートフォンで出退勤を打刻できるため、紙やICカードによる管理に比べて手間やコストを抑えられる点が特徴です。一方で、スマートフォンの利用を前提とした運用や派遣先ごとのルール調整など、事前に検討すべきポイントもあります。

本記事では、派遣会社向けにQRコード勤怠の仕組みやメリット、導入時の注意点について解説しました。自社の運用体制や派遣スタッフの働き方に合ったシステムを選び、段階的に導入・改善を進めながら、勤怠管理の効率化と取引先からの信頼向上につなげていきましょう。

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