- リスキリングとは?
- リカレントやアンラーニングとの違いは?
- リスキリングに取り組むメリットは?
この記事は上記のような疑問を抱えておられる方に向けて、リスキリングの概要を踏まえつつ、リカレントやアンラーニングとの違い、取り組むメリットなどを解説していきます。
リスキリングの進め方やポイント、おすすめのテーマについてもご紹介していますので、ぜひ最後までご確認ください。
リスキリングの基本知識
まずはリスキリングの基本的な知識について解説していきます。
リスキリングとは
リスキリングの定義や注目されている背景について確認していきましょう。
リスキリングの定義
リスキリングとは、企業を取り巻く状況やビジネスモデルの変化などに伴い、現在とは異なる業務や分野に関するスキルを獲得する取り組みのことを指します。
2020年に開催されたダボス会議で「リスキリング革命」が発表され、「2030年までに地球人口のうち10億人をリスキリングする」と提言されたことに端を発し、日本でもリスキリングが浸透し始めました。
リスキリングが注目されている背景
リスキリングが注目されている背景としては、以下のような点が挙げられます。
・背景①:労働力不足
日本では1995年以降生産年齢人口が減少し続けており 、自社にはないスキルを持った人材を獲得することが難しくなってきました。
そのためリスキリングによって、自社の従業員に新たなスキルを獲得してもらうことが求められています。
・背景②:DXの浸透
DXの浸透も背景の一つと言えます。DXの取り組みにより企業のデジタル化が急速に進む中、企業に求められるスキルや業務も変化していきます。
そういった状況に対応するためにも、リスキリングの必要性が高まってきていると言えるでしょう。
リスキリングと類似概念との違い
リスキリングと似たような概念として、リカレント教育やアンラーニング、OJTなどが挙げられます。
それぞれの定義を理解して、リスキリングとの違いについて確認しておきましょう。
・リカレント教育
社会に出た後、それぞれ必要なタイミングで職場を離れ、大学などの教育機関で学ぶことを指します。
・アンラーニング
現在保有している知識やスキルのなかで、有効でなくなったものを捨て、代わりに新たな知識やスキルを学ぶことです。
・OJT
先輩従業員が後輩に対して、業務を通じてスキルや知識の伝承を行います。
このように社会人となってから学ぶという点は共通しているものの、それぞれ定義が異なる点は理解しておきましょう。
リスキリングのメリットとデメリット
リスキリングの概要を押さえていただいたところで、ここからはメリットとデメリットについて解説します。
リスキリングのメリット
まずはリスキリングのメリットとして以下の4点をご紹介します。
メリット①:イノベーションの創出
一つ目のメリットはイノベーションの創出です。
リスキリングによって、これまで自社になかったスキルや知識を獲得することで、イノベーションの創出に繋げることができます。
メリット②:業務効率化・生産性の向上
業務効率化や生産性の向上が見込まれる点もメリットとして挙げられます。
リスキリングによってDXの促進ができれば、業務全体の効率を高め、生産性を向上させることが期待できるでしょう。
メリット③:人手不足への対応
続いてメリットとして挙げられるのは、人手不足への対応にも有効であるという点です。
先述の通り新しい人材を獲得するのは難しい状況ですが、リスキリングに取り組むことで、ビジネスに必要な知識やスキルを獲得できるため、人手不足であっても有効に作用するでしょう。
メリット④:採用コストの削減
メリットの最後にご紹介するのは採用にかかるコストを削減できるという点です。
リスキリングでは既存の従業員に新たなスキルや知識を獲得してもらう形になるため、人材を採用する必要がなく、その分採用コストを削減できるでしょう。
リスキリングのデメリット
リスキリングのデメリットとしては以下の4点が挙げられます。
デメリット①:導入に工数や負担が掛かる
デメリットとしてまず挙げられるのは、導入に工数や負担が掛かる点です。
新たなスキルや知識を獲得するには、当然学習の工数や時間がかかり、それらが従業員にとっての負担となる可能性があることも留意しておくべきでしょう。
デメリット②:費用が掛かる
費用が掛かってくる点にも注意しましょう。
採用コストは削減できるものの、教育に必要な教材や講師手配のための費用などはかかってきます。
デメリット③:従業員のモチベーション維持が困難
取り組みに対するモチベーション維持が難しいという点もデメリットと言えます。
新たなスキルや知識を獲得するには相応の時間や労力が必要となるため、従業員のモチベーションが低下する可能性があります。
デメリット④:転職のリスク
新たなスキル取得によって転職リスクが生じる点についても見逃せません。
リスキリングによって、これまで保有していなかったスキルや知識を得たことで、それらを活かして新たな職場に転職してしまうリスクもあると言えるでしょう。
リスキリングの進め方とポイント
続いてリスキリングの進め方とポイントについて解説していきます。
リスキリングの進め方
まずはリスキリングの進め方について、以下の5つのステップに分けて確認していきましょう。
ステップ①:リスキリングのテーマを決める
リスキリングを進める際、はじめにやるべきことはテーマを決めるということです。
自社の戦略やビジネスモデルの変化に合わせて、どういったスキルが必要かを割り出していくことになるでしょう。
その割り出したスキルの中から、優先度などを決め、リスキリングのテーマを策定していくことになります。
ステップ②:教育プログラムを決める
テーマが決まった後は、教育プログラムを決めるステップに入ります。
テーマとなるスキルを獲得してもらうためには、どのように教育する必要があるのか、どれくらいの期間が必要か、どれくらいの費用が必要かといった内容を決めていくことになるでしょう。
ステップ③:教材コンテンツの選定
続いてのステップは、教材コンテンツの選定です。
先のステップで決めた教育プログラムに基づいて、テーマの習得において効果的な教材コンテンツを選定していくことになるでしょう。
書籍や通信教材、外部セミナー、講師の手配などが教材コンテンツの候補になります。
ステップ④:教育・学習の実施
教材コンテンツが決まれば、教育・学習を実施するステップへと入ります。
リスキリングに取り組んでもらう従業員に対して、教材を手配し、学習に取り組んでもらいます。
学習に充ててもらう時間については、従業員の意見なども取り入れた上で決めましょう。
ステップ⑤:効果検証と取り組みの見直し
リスキリングの最後のステップは学習の効果検証と取り組みの見直しです。
リスキリングにおいては、従業員の学習状況やその効果を検証していくことが重要になります。
その効果や状況に応じて、教材の見直しやプログラム自体の軌道修正を図りましょう。
リスキリングに取り組む際のポイント
リスキリングに取り組むポイントとして以下の3点をご紹介します。
ポイント①:社内の理解を得る
一つ目のポイントは社内の理解を得るという点です。
リスキリングで新たなスキルや知識を学ぶのは、従業員にとって相応の負荷が掛かってくることになります。
そのためただ一方的に取り組むのではなく、社内の理解を十分に得た上で実施することが大きなポイントになるでしょう。
ポイント②:取り組みを継続できる仕組みや体制を構築する
続いてご紹介するポイントは、取り組みを継続するための仕組み・体制を構築するという点です。
リスキリングの取り組みは先述の通り、従業員のモチベーションを維持させるのが難しいという特徴があります。
そのためインセンティブを設けたり、チームで取り組んでもらったり、といった仕組みや体制を取り入れ、リスキリングの継続に繋げることが重要になるでしょう。
ポイント③:外部リソースも活用する
最後のポイントは外部リソースも活用するという点です。
リスキリングで活用する教材コンテンツは、書籍を中心に選べば費用も抑えやすくなるでしょう。
しかし学習効果を高めたい場合は、外部セミナーや講師といった外部リソースも積極的に活用する必要があります。
リスキリングで何を学ぶ?おすすめのテーマをご紹介
最後にリスキリングで何を学ぶべきか、おすすめのテーマとして以下の6つをご紹介します。
IT・Webに関するリテラシー
一つ目にご紹介するテーマはITやWebに関するリテラシーです。
これからあらゆる企業がDXの取り組みを求められる中で、ITやWebに関するリテラシーはビジネスパーソンとして必須とも言えるスキルとなるでしょう。
そのためリスキリングにおいても、ITやWebに関するリテラシー獲得を目指すのもおすすめと言えます。
プログラミング
二つ目にご紹介するテーマはプログラミングです。
ITやWebのリテラシーと併せて、アプリケーションなどを構築するためのプログラミング技術も、DXにおいて必須と言えるスキルとなります。
そのためリスキリングでどのテーマに取り組むか迷っているのであれば、プログラミングをテーマとするのも一つの方法です。
ビジネスプロセスマネジメント
ビジネスプロセスマネジメントもおすすめです。
DXに取り組む場合、既存の業務プロセスから別の業務プロセスへの移行を図る必要があるケースも多くなるでしょう。
そのためビジネスプロセスマネジメントのスキルや知識の習得も、リスキリングにおいてはおすすめのテーマと言えます。
プロジェクトマネジメント
続いてご紹介するおすすめのテーマはプロジェクトマネジメントです。
企業には様々な業務がありますが、DXを進めるにあたって、プロジェクトを立ち上げて進めることも多くなるでしょう。
プロジェクトマネジメントをテーマとしてリスキリングに取り組めば、DXの推進も円滑に進めることができます。
デジタルマーケティング
デジタルマーケティングもリスキリングにおけるおすすめのテーマとなります。
どのような企業であってもマーケティングの機能や考え方、スキルは欠かせませんが、日本はマーケティングに力を入れていない企業も多いのが実状です。
そのためデジタルマーケティングのスキルや知識を従業員に獲得してもらうことができれば、競合よりも優位にビジネスを展開することができるでしょう。
ビジネス英語
テーマの最後にご紹介するのはビジネス英語です。
インターネットなどの発展に伴い、企業がビジネスを展開していく市場は、日本国内だけに留まらない状況になってきました。
このようなビジネスのグローバル化に伴い、ビジネス英語を獲得することができれば、海外でのビジネス推進もスムーズに行うことができるでしょう。
まとめ
今回はリスキリングについて、概要やメリット・デメリット、進め方などについて解説してきましたが、いかがでしたか。
企業を取り巻く環境が刻一刻と変化している中で、その都度外部の人材を雇用するというのは現実的ではありません。
そのため今雇用している従業員に対してリスキリングに取り組んでもらい、ビジネスを進展させていくことが重要になってくると言えるでしょう。
ぜひこの記事を参考に、リスキリングに取り組んでいただければ幸いです。
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