少子高齢化による深刻な人手不足を背景に、日本国内で働く外国人労働者の数は年々増加しています。現場の重要な戦力として外国人採用を検討しているものの、「どの国の人材が自社に合っているのか」「最新の国別トレンドはどうなっているのか」と悩む担当者の方も多いでしょう。

本記事では、厚生労働省が公表した最新データをもとに、外国人労働者数の国別ランキングや増加傾向にある国の特徴を解説します。採用成功に向けたポイントや制度改正の動向もまとめているので、ぜひ参考にしていただけますと幸いです。

【2026年最新】外国人労働者数は過去最多の257万人

2026年1月に厚生労働省が公表した最新データによると、日本で働く外国人労働者数は2025年10月末時点で過去最多の2,571,037人に達しました。これは前年比で268,450人の増加です。また、外国人を雇用している事業所数も371,215所と、前年から29,128所増加して過去最多を更新しました。

事業所規模別に見ると、「30人未満」の小規模事業所が全体の63.1%を占めており、中小・零細企業において外国人材が事業継続のカギとなっている現状がわかります。

産業別では「製造業」が最も多く、全体の24.7%を占めています。一方で、前年と比較して増加傾向にあるのは「医療・福祉」「宿泊業・飲食サービス業」「建設業」「卸売業・小売業」などです。現在は、幅広い産業で外国人労働者の受け入れが加速しています。

参照:「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和7年10月末時点)|厚生労働省

参照:「外国人雇用状況」の届出状況表一覧(令和7年10月末時点)|厚生労働省

【国別】外国人労働者数ランキングと採用のポイント

2026年1月に厚生労働省が公表した最新データから、外国人労働者数の上位10か国をランキング形式でまとめました。長年にわたって上位を維持している国もあれば、近年急増している地域もあり、各国で就労が多い産業も異なります。

順位労働者数前年比増減率構成比が最も高い産業(割合)
1ベトナム605,906人+6.2%製造業(37.5%)
2中国431,949人+5.7%卸売業・小売業(21.2%)
3フィリピン260,869人+6.2%製造業(31.6%)
4ネパール235,874人+25.7%宿泊業・飲食サービス業(29.3%)
5インドネシア228,118人+34.6%製造業(32.4%)
6ミャンマー163,311人+42.5%宿泊業・飲食サービス業(25.1%)
7ブラジル134,645人-1.1%製造業(37.1%)
8韓国80,193人+6.9%卸売業・小売業(20.0%)
9スリランカ50,427人+28.9%宿泊業・飲食サービス業(24.8%)
10タイ41,468人+4.2%製造業(43.9%)

国別の外国人労働者数が最も多いベトナムをはじめ、特に増加率が高い国について、それぞれのトレンドを詳しく見ていきましょう。

参照:「外国人雇用状況」の届出状況表一覧(令和7年10月末時点)|厚生労働省

ベトナム|国別の外国人労働者数1位

日本で働くベトナム人労働者は、外国人労働者の中で最も多く、現場を支える中核的な存在です。過去5年間にわたり最多数を維持し続けており、すでに日本国内で独自のコミュニティが形成されているため、採用後の生活面での定着支援がしやすい環境が整っています。

厚生労働省の最新データによると、ベトナム人労働者数は約60.5万人で、全体の約23.6%を占めています。主な就労先は「製造業(37.5%)」や「建設業(12.3%)」で、ベトナム人労働者は日本の産業現場において欠かせない重要な戦力であると考えられます。

インドネシア|特定技能を中心に急増中

日本で働くインドネシア人労働者は近年急増しており、特に特定技能の対象分野において欠かせない戦力になっています。親日感情が強いことに加え、日本の深刻な人手不足を補う「技能実習」や「特定技能」の資格での受け入れが大きく進んでいる点が特徴です。

厚生労働省の最新のデータによると、労働者数は前年比34.6%増を記録しており、在留資格別に見ると「技能実習(52.6%)」と「特定技能(30.5%)」が高い割合を占めています。主な就労先として「製造業(32.4%)」を中心に、「建設業(22.6%)」や「医療・福祉分野(12.4%)」などで採用が加速しています。

なお、インドネシア人労働者の多くはイスラム教徒であり、現場定着のためには、礼拝の時間や食事への配慮も必要です。

ミャンマー|対前年比増加率トップクラス

ミャンマー人労働者は近年急激に増加しており、サービス業や介護現場を中心に、人手不足を解消する重要な人材として期待が高まっています。増加の背景にあるのは、ミャンマーの国内情勢の影響から日本での就労を強く希望する若者が増えていること、仏教徒が多く真面目な国民性が日本人の気質と親和性が高いことなどです。

厚生労働省の最新のデータによると、ミャンマー人労働者数の前年比増加率は42.5%と、上位国の中で最も高い伸びを示しています。産業別に見ると、「宿泊業・飲食サービス業(25.1%)」での就労割合が最も高く、次いで介護を含む「医療・福祉分野(16.8%)」での活躍が目立ちます。

日本の国民性ともフィットしやすいミャンマー人労働者は、ホスピタリティが求められるサービス・介護現場を中心に、今後さらに受け入れが加速していくでしょう。

ネパール|日本語学習が広がっている親日国

近年はネパール人労働者も急増しており、特に飲食や小売などの対人サービス業において、日本語能力を活かした活躍が目立っています。親日国として知られており、日本語の学習意欲の高さに加えて、日本に滞在する留学生がアルバイトとして働く「資格外活動」での就労割合が高い点が特徴です。

厚生労働省の最新データによると、ネパール人労働者数は前年比25.7%増の約23.5万人に達しました。在留資格の66.8%を「資格外活動」が占めており、語学力を活かして「宿泊業・飲食サービス業(29.3%)」や「卸売業・小売業(16.3%)」を中心に就労しています。

ネパール人労働者は日本語の習得が比較的早く、対人コミュニケーションが求められるサービス分野において欠かせない戦力となっています。

【在留資格別】外国人労働者数ランキング

厚生労働省が公表した2025年10月末時点の最新データに基づく、在留資格別の外国人労働者数は以下のとおりです。

順位在留資格労働者数前年比増減率
1専門的・技術的分野865,588人+20.4%
2身分に基づく在留資格645,590人+2.6%
3技能実習499,394人+6.1%
4資格外活動449,324人+12.8%
5特定活動111,074人+29.6%

各在留資格には異なる特徴があり、採用戦略を練るうえではそれぞれの違いを理解しておく必要があります。

専門的・技術的分野は、ITエンジニアや通訳などの高度人材に加え、特定技能制度の拡大により、介護・建設・製造業などでの受け入れが急増している資格です。国籍別ではベトナム、中国、インドネシアからの人材が多く、現場の即戦力として重要な役割を担っています。

また、前年比29.6%増と高い伸びを示しているのが、特定活動の在留資格者です。特定活動には、技能実習からの移行による短期就労者や、学校卒業後に就職活動を継続している留学生などが含まれます。特にベトナムやミャンマー、インドネシア出身者が多くを占め、制度の多様化に対応した柔軟な受け入れ形態として注目されています。

参照:「外国人雇用状況」の届出状況表一覧(令和7年10月末時点)|厚生労働省

【制度改正】育成就労の開始と対象分野の拡充

外国人労働者の受け入れ拡大に伴い、政府は制度の見直しを進めています。特に注目すべきは、「育成就労制度」への移行と「特定技能」の対象分野拡充です。

ここでは、2026年2月時点で検討されている制度の見直しについて見ていきましょう。

2027年から技能実習が育成就労に変わる

現行の「技能実習制度」は、国際貢献という建前と労働力確保という実態の乖離が指摘されており、2027年頃を目処に「育成就労制度」へ移行することが予定されています。新制度では、原則3年間の就労を通じて「特定技能1号」の水準まで人材を育成することが目的となります。

大きく変化する点は、従来の技能実習では原則認められていなかった「転籍(転職)」が、一定の要件下(日本語能力や技能検定合格など)で可能になることです。今後、企業は選ばれる立場として就労環境の整備により一層力を入れていく必要があるでしょう。

参照:育成就労制度の概要|厚生労働省

特定技能の対象分野が拡充される

深刻な人手不足に対応するため、特定技能の対象分野が拡充されます。具体的には、特定技能の対象として新たに「資源循環(廃棄物処理)」「物流倉庫」「リネンサプライ」の3分野を追加する方針が固められています。

「資源循環」分野は、従来の廃棄物処理を循環型社会の推進に合わせて再整理したもので、収集・選別・中間処理など専門性を伴う業務も対象となる見込みです。日本語要件のハードルが比較的低い現場業務において、即戦力として働ける外国人労働者の活用が期待されています。

参照:特定技能制度及び育成就労制度の受入れ対象分野(新たに追加等を行う分野等)の詳細(案)|出入国在留管理庁・厚生労働省

外国人労働者の採用で確認したい4つのポイント

外国人労働者を採用し、戦力として活躍してもらうためには、日本人とは異なる視点での受け入れ準備が必要です。文化的な違いによるミスマッチを防ぐための4つのポイントを解説するので、ぜひ参考にしていただけますと幸いです。

自社の職種と国民性の相性を見極める

外国人人材を定着させるためには、自社の業務内容と各国の文化・国民性の相性を見極めることがポイントです。国籍によって得意な業務や好まれる職場環境の傾向は異なります。配属先との適性をあらかじめ考慮することで、入社後のミスマッチを減らせるメリットがあります。

同郷の先輩がいるか確認する

外国人材を採用する際は、すでに社内に在籍している外国人の国籍のバランスや、同郷の先輩の有無を確認することも大切です。

新たに働き始める外国人にとって、同郷の先輩はメンタル面での大きな支えとなり定着率向上につながります。一方で、特定の国籍の人が一部の部署に偏りすぎると、排他的なコミュニティが形成されて集団離職のリスクを招く恐れがあるため注意が必要です。

メリットを活かしつつリスクを防ぐためには、最初にリーダー格となる優秀な人材を採用し、その人物をメンターとして同国籍のスタッフを数名単位で受け入れていく「チーム採用」が効果的です。社内の国籍バランスに注意を払いながら、同郷の先輩がメンターとして機能する環境を意図的に作ることで、管理コストを抑えつつ人材の定着を実現できます。

現場での実務会話能力を把握する

外国人材の採用面接では、資格の有無だけではなく、現場で通用する実務会話能力も確認しましょう。特に、製造現場や建設現場では、安全管理上、複雑なマニュアルを読む力よりも口頭での指示に即座に反応できる能力が重要です。

日本語能力試験をはじめとするペーパーテストの点数と実際の会話力は必ずしも一致しません。例えば、漢字圏である中国出身者は読み書きが得意な一方、非漢字圏であるミャンマーやインドネシアなどの出身者は、漢字が苦手でも会話の習得スピードが早い傾向にあります。

採用面接では、実際の業務で発生しそうなトラブル報告や、指示受けのロールプレイングを実施して会話力を確認することをおすすめします。表面的な資格にとらわれず、実務会話能力があるかどうかを見極めることが採用成功のポイントです。

ニーズに強い紹介会社・支援機関を選ぶ

外国人採用を成功させるためにも、自社のニーズに強い紹介会社や支援機関を選びましょう。管理団体や支援機関によって「ベトナム人材に強い」「建設業に特化している」など得意分野は異なります。

特に、特定技能のような複雑な制度を利用する場合、手続きや生活支援の実績が採用の成否を大きく左右します。そのため、選定時には手数料の安さだけで判断せず、自社が求める国籍や業種に強みがあるかを確認しましょう。

あわせて、法令遵守の姿勢や現地での教育体制、通訳スタッフの充実度なども事前にヒアリングしておくと安心です。自社の採用目的に合致し、サポート体制が充実した信頼できる機関を見極めることが、外国人材の定着と活躍につながります。

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外国人労働者の国籍が多様化するなかで課題になるのが、現場におけるコミュニケーションコストです。

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まとめ

厚生労働省が公表した2025年10月時点の最新データにおいて、日本で働く外国人労働者数は257万人を超え、過去最多となりました。国籍別ではベトナムや中国が多いものの、インドネシアやミャンマー、ネパールなどからの人材も急増しており、受け入れ国の多様化が進んでいます。

本記事では、外国人労働者数の国別ランキングや最新の動向を解説しました。外国人採用を成功させるためには、最新の制度改正を把握し、自社の業種と各国の国民性の相性を見極めることが重要です。また、多言語対応ツールなどを活用してコミュニケーション環境を整備し、外国人が長く定着できる職場づくりを進めましょう。

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