近年、福利厚生サービスの一つとして注目されている給与前払いサービス。従業員が働いた実績分の給与を必要な時に、給料日よりも前に受け取ることができる仕組みのことで、求人応募数や定着率の向上を目的に導入する企業・店舗が増えてきています。

給与前払いサービスを使えるようにするには、一般的に「従業員データ」と「勤怠データ」の用意が必要となりますが、環境によっては現在もなお“アナログ”な運用が残っている店舗や場所も少なくありません。従業員から給与前払いサービスの要望はあるが、勤怠管理に紙のタイムカードを使っているためデータが用意できず、導入できない…とお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

本記事では、タイムカードを使用している飲食店舗などで、給与前払いサービスを導入する方法について紹介していきます。

給与前払いサービスの仕組み

導入するために必要なもの

給与前払いサービスは「いつ・誰が・いくらの利用可能額(利用枠)のうち・いくら受け取ったか」を管理しなければならないため、利用するには「誰が」を管理するための『従業員データ』、「利用可能額」を算出するための『勤怠データ』が必須です。

勤怠データは“日払い”であれば毎日、“週払い”であれば毎週用意し、勤務の回数や時間数といった「勤務実績」の累積に応じて、前払いの「利用可能額」が増額・更新されていくようにします。

<給与前払いに必須となるデータ> ※エーピーシーズ「速払いサービス」の場合

必須データ
従業員データ・スタッフID(社員番号など)
・氏名
・氏名カナ
・生年月日
勤怠実績データ・スタッフIDなど(社員番号)
・勤務日
・勤怠情報(金額・勤務時間・出退勤時刻など)

利用可能額の計算ルール

一般的に私たちの「給与」は、たとえ時給制だったとしても「時給×働いた時間数」そのままではなく、住民税や所得税、社会保険料などを差し引いた金額が支払われていますので、「時給×働いた時間数」で単純計算した額を全額、前払いの「利用可能額」としてしまうと差し引きができなくなり、いわゆる“過払い”が発生してしまいます。

これを避けるため、給与前払いサービスはあらかじめ勤務回数・時間数から「利用可能額」を計算するルールを決めてから運用します。

※エーピーシーズが運営する『速払いサービス』では、「社員寮利用者の寮費」や「社会保険料」などを考慮して「月初の勤務実績〇万円までは前払い対象外」というような複雑な計算ルールも設定できますが、このようなルールに対応するには従業員データ内に「社員寮利用者かどうか」「社会保険対象者かどうか」「給与締日」といった情報が必要になります。その他にも、従業員ごとの「時給」など、導入企業や店舗の要望に合わせて必要な情報・連携いただく情報を相談しながら決めていくことになります。

タイムカードを使っていると導入は難しい?

上記のとおり、給与前払いサービスを運用するためには勤怠情報をcsvファイルなどのデジタルデータで用意する必要がありますが、データの取り出しができないタイムカードで勤怠管理をしている環境の場合、勤怠の集計は手作業で、頻度も給与計算の時だけで月1回、という場合がほとんどでしょう。

かと言って、給与前払いのためにわざわざ「毎日」や「週1回」といった頻度に勤怠集計を増やし、勤怠データを作成する時間を確保できるような環境はそうそうありません。一般的に考えれば、勤怠管理にタイムカードを使用している環境では、給与前払いサービスの導入は少し難しそうです。

『速払いサービス』なら導入できる!

エーピーシーズが運営する『速払いサービス』では、勤怠のデジタルデータが用意できない企業や店舗向けに開発された『勤務報告ツール』を無料で利用でき、勤怠がアナログ管理の環境でも給与前払いサービスが導入できます。

『速払いサービス』での運用方法と導入事例

『勤務報告ツール』を使用したデータ生成の流れ

速払いサービスの『勤務報告ツール』は、前払いを希望する従業員に自身の勤務実績を報告してもらい、管理者が内容を確認して「承認」することで、システム内に仮の勤怠データを生成するツールです。

①従業員が勤務実績を報告する

従業員は勤務が終わった後、サービスwebサイトにログインし、勤務日ごとの勤務内容(勤務時間)を入力します。

②勤務報告の内容を確認して承認する

管理者は勤務報告の内容に間違いがないか確認し、問題なければ「承認」します。

③ 勤務実績が前払い利用可能額に反映される

勤務報告が承認されると、従業員のマイページの利用可能額が更新され、その金額を上限に前払いの利用申込が可能になります。

利用希望者の勤務報告を確認するだけで運用できるため、全従業員分の勤怠集計に比べると5割以上の手間を削減できます。

導入事例

導入事例①

<企業情報>

職種飲食業(ラーメン店など)
店舗数5店舗
従業員数50名

千葉県を中心に5店舗の飲食店を経営するこちらの企業様は、求人応募数アップと定着率向上のため給与前払いサービスを検討されていました。タイムカードを使っているためなかなか導入に踏み切れず、店舗が忙しいため勤怠集計の手間はかけられない、とお悩みでしたが、『速払いサービス』の「勤務報告ツール」を知っていただき導入いただくことになりました。店長様が実施する勤務報告の承認作業は「毎日決まった時刻に1日1回」と事前に決めておくことで、最低限の作業負荷で安定した運用を実現いただいています。前払いの受け取りは土日祝も可能なため、急なニーズにも応えることができ、従業員様からも好評をいただいているそうです。

導入事例②

<企業情報>

職種居酒屋
店舗数6店舗
従業員数40名

神奈川県を中心に居酒屋を5店舗経営するこちらの企業様は、既存店舗の人手不足と新店舗の開業準備が重なったことをきっかけに、新規スタッフの獲得を狙って給与前払いサービスの導入を検討されていました。勤怠管理システムは導入済みでしたが、毎日・全従業員の勤怠情報を連携するのは仕組み上難しかったため、『速払いサービス』の「勤務報告ツール」を活用して導入いただくことになりました。現在では必要な従業員数を集められ、新店舗も順調に営業を始めています。

まとめ

いかがでしたか?

給与前払いサービス導入時のハードルとなることが多い勤怠データですが、『速払いサービス』の「勤務報告ツール」を使えば、アナログな職場環境でも比較的簡単に導入・運用が可能です。

エーピーシーズが運営する『速払いサービス』は、給与前払いサービスに関する調査で4年連続3冠を獲得しており、コンプライアンス面が気になる企業様にも安心して使っていただけるサービスです。お客様の要望にも柔軟に対応しておりますので、ご質問などありましたらお気軽にお問い合わせいただければと思います。

勤怠管理システム導入をご検討されるなら

勤務報告ツールももちろんおすすめですが、エーピーシーズでは『ぴかいちナビ』『まかせてネット』など “月1回の集計作業“も不要にできる、速払いサービスとの完全自動連携に対応した勤怠管理システムもご紹介しています。給与前払いの運用にかかる手間だけでなく、給与計算などの手間の大幅削減も可能です。いっそ勤怠システムを丸ごとデジタル化して、業務効率向上に取り組んでみるのはいかがでしょうか?ぜひお気軽にお問い合わせください。