マイナ免許証を入社手続きの際に提示された場合、「どのように免許証情報を回収すればよいのか」と不安に思う方もいるでしょう。マイナ免許証の外観はマイナンバーカードと同じで、免許証情報は記載されていないため、対応に戸惑うケースもあります。

本記事では、入社時にマイナ免許証を提示された際の免許証情報の回収方法を詳しく解説します。対応する際の注意点や派遣社員への説明例もまとめているので、社内の対応フローを整備する際に役立てていただけますと幸いです。

マイナ免許証とは?一体化の概要

マイナ免許証とは、マイナンバーカードと運転免許証を一枚にまとめた新しい本人確認書類です。マイナンバーカードのICチップに免許証情報を記録すると、運転免許証として利用できます。マイナンバーカードの表面に免許証情報は記載されません。

マイナ免許証の制度は、人口減少や少子化に伴う行政コストの削減と、利用者の利便性向上を目的に導入されました。

マイナ免許証の概要は以下のとおりです。

項目内容
名称マイナ免許証
開始時期2025年3月24日
対象者有効なマイナンバーカードと運転免許証を持つ希望者
申請方法全国の運転免許センターや一部の警察署で手続きが必要
外観マイナンバーカードと同様(免許証情報の記載なし)
主なメリット住所や氏名などの変更手続きの負担軽減免許証更新時のオンライン講習が可能更新手数料の軽減 など

制度の導入により今後は採用現場などで、マイナンバーカードを免許証として提示される可能性があります。そのため、人事担当者はマイナ免許証の特性を理解したうえでの対応が求められます。

参照:マイナンバーカードの運転免許証利用|デジタル庁

マイナ免許証に登録されている情報

マイナ免許証のICチップ内には、免許証番号や取得日など、従来の運転免許証に記載されていた情報が登録されています。マイナ免許証に登録されている主な項目は、以下のとおりです。

項目内容
マイナ免許証の番号個別に割り当てられる識別番号
運転免許の取得日初めて免許を取得した日付
マイナ免許証の
有効期間の末日
マイナ免許証としての有効期限
運転免許の種類普通・中型・二輪 など
運転免許の条件AT限定や眼鏡等の条件がある場合の記載
顔写真証明写真として使われる顔画像データ
色区分ゴールド・ブルー・グリーンなど

これらの免許証情報はすべてICチップに登録されており、マイナ免許証の表面では確認できません。そのため、免許証情報が必要な場合は、ICチップ内の情報を閲覧する必要があります。

参照:マイナンバーカードの運転免許証利用|デジタル庁

【マイナ免許証】入社手続きで必要な情報

派遣社員などの入社手続きをする際には、本人確認情報や免許証情報が必要になります。ここでは、入社手続きの際に、マイナ免許証を提示された場合の対応方法を解説するので、参考にしていただけますと幸いです。

本人確認情報

マイナ免許証も、入社手続きの本人確認書類として問題なく使用できます。マイナ免許証は、マイナンバーカードと同じ外観で、顔写真や氏名、生年月日、住所などが表面に記載されているためです。

入社時には、マイナ免許証の表面コピーもしくは原本提示で、本人確認ができます。マイナンバーカードではなくマイナ免許証として提示された場合でも、本人確認書類としての効力は変わりません。記載内容を確認したうえで、ほかの個人情報と同様に適切に取り扱いましょう。

免許証情報

車を使用する業務や車通勤を希望する派遣社員を受け入れる際には、運転免許証の詳細情報を確認する必要があります。以下の詳細情報を提示してもらいましょう。

  • 免許証番号
  • 有効期限
  • 交付日
  • 免許の種類
  • 色区分 など

マイナ免許証では、これらの情報がICチップに記録されており、表面では確認できません。免許証情報の確認が必要な場合は、派遣社員本人にマイナポータルや専用アプリから情報を取得してもらい、提出を依頼する流れになります。

参照:マイナンバーカードの運転免許証利用|デジタル庁

【マイナ免許証】入社時のケース別回収方法

入社手続きの際にマイナ免許証を提示された場合、免許証情報の回収方法は一律ではありません。派遣社員がマイナ免許証しか持っていないのか、従来の運転免許証も持っているのかで対応が異なります。ここでは、それぞれの回収方法について解説するので、参考にしていただけますと幸いです。

マイナ免許証のみを持っている場合

マイナ免許証のみを提示された場合は、ICチップ内の免許証情報を別途回収する必要があります。マイナ免許証の表面には免許証番号や有効期限などが記載されておらず、見た目では確認ができないためです。

人事担当者は、派遣社員本人にマイナポータル経由もしくは「マイナ免許証読み取りアプリ」の利用を通じて免許証情報を取得してもらうよう依頼しましょう。表示された免許証情報は、画面保存やスクリーンショットで提出するよう案内しておくと安心です。提出された情報は従来の免許証情報と同様に人事システムなどで適切に保管してください。

従来の免許証とマイナ免許証を持っている場合

従来の運転免許証も持っている場合は、そちらのコピーを提出してもらうようにしましょう。免許証番号や有効期限など必要な情報が外観から確認できるため、提出や保管の手続きもスムーズです。

「マイナ免許証の提出は不要です」といったかたちで、どちらの免許証を提出してもらうかをあらかじめ伝えておくと混乱を防げます。人事側も確認作業を混乱なく進められ、効率的な運用が可能になるでしょう。

免許証情報の提出が不要な場合

運転が必要ない業務や車通勤を予定していない場合は、免許証情報の提出は原則として不要です。業務上で運転免許証の確認が求められるのは、車両の運転に関わる業務や車通勤を許可している場合など、特定の条件下に限られます。

ただし、派遣先の企業や自社の規定によっては運転の有無にかかわらず、免許証情報の提出を求める場合があります。

事前に社内ルールや派遣先との契約条件を確認し、免許証情報を回収する必要があるかどうかを判断することが重要です。

【マイナ免許証】入社時対応の注意点

マイナ免許証は、見た目がマイナンバーカードと同じである点から、従来の運転免許証と同じ対応をすると必要な情報を回収できない場合があります。マイナ免許証を提示された際に注意したいポイントをそれぞれ見ていきましょう。

免許証情報を取得する場合は本人が操作する

マイナ免許証の免許証情報を確認するには、本人による操作が必要です。免許証情報はマイナ免許証のICチップに記録されているため、マイナポータル経由もしくは「マイナ免許証読み取りアプリ」で読み取らなければなりません。

マイナ免許証に記録されている免許証情報を確認する際は、マイナンバーカードや事前に設定した暗証番号が必要になります。そのため、企業側が代理で操作したり、ICチップの内容を直接取得したりすることはできません。

企業としては入社時に本人に取得方法を案内したうえで、必要な免許証情報を提出してもらう流れを整えておきましょう。

管理方法や社内ルールを確認しておく

入社時に回収した免許証情報は、個人情報として適切に管理しなければなりません。個人情報の保存期間は法律で一律に定められていないため、自社の就業規則や社内規定をもとに運用ルールを確認しておきましょう。

免許証情報を扱う際は、ほかの社員の情報と混同しないよう管理方法を明確にし、過剰に保管しておかないことが重要です。個人情報の利用目的が達成されたあとは、不要となった情報を速やかに削除・廃棄する対応が望まれます。

参照:個人情報の保護に関する法律|e-GOV法令検索

【マイナ免許証】派遣社員への説明例

マイナ免許証が提示された場合や、免許証情報の提出を依頼する際には、派遣社員に混乱が生じないように、あらかじめ説明内容を統一しておくことが重要です。マイナ免許証では、ICチップ内に運転免許証情報が登録されているため、見た目では確認できません。必要な情報は派遣社員本人に取得してもらいましょう。

具体的には次のように伝えてください。

「入社手続きで免許証情報の提出が必要です。マイナポータルまたは専用アプリから、免許証番号・有効期限・交付日・免許の種類・免許条件・色区分を取得してください。画面保存またはスクリーンショットで提出をお願いします」

取得手順と提出方法を具体的に伝えると、派遣社員側の戸惑いや誤解を防げます。

まとめ

派遣社員の入社手続きの際にマイナ免許証を提示された場合、本人確認は表面記載の情報から行えます。しかし、運転免許証の情報はマイナ免許証のICチップ内に記録されているため、別途回収が必要です。従来の免許証との違いを正しく理解し、社内ルールや派遣社員への案内文を整理しておくと安心です。

本記事では、入社時にマイナ免許証を提示された際に、個人情報と免許証情報をどのように回収・管理すべきかについて解説しました。マイナ免許証の制度に対応できる体制を整えておくと、これからのスムーズな入社対応につながります。

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