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新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を受け、2020年4月と2021年1月に2度の緊急事態宣言が発令されました。2度目の緊急事態宣言は飲食店への時短営業要請がメインとなりましたが、発令から約1ヶ月が経った現在、飲食業での就業実態はどのように変化しているのでしょうか。

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このお預かりしている勤怠実績データを基に、今回は飲食業で働くアルバイト・パート従業員の2020年3月~2021年1月における稼働人数、勤務実績金額を前年と比較し、2度目の緊急事態宣言が発令された1月までの飲食業界の就業実態の変化についてデータをまとめました。

飲食業全体

稼働人数の推移

勤務実績金額の推移

飲食業全体で見ても、2020年4月・5月は1度目の緊急事態宣言の影響を大きく受け、特に5月は稼働人数・勤務実績金額ともに前年比40%台まで急落しています。

2020年7月以降は、感染拡大の第1波が過ぎ去り、各種GoToキャンペーンの運用も徐々に開始され、稼働人数は前年比80%弱、勤務実績金額は前年比70%台の水準まで戻り、少し落ち着いた状態になっているように伺えます。(ただし12月の勤務実績金額は、数値自体は微増を続けているものの、元来繁忙期のため数値の水準が高く、前年比でみると70.3%となっています。)

2度目の緊急事態宣言が発令された2021年1月は、稼働人数に大きな変化は見られないものの勤務実績金額は下がっており、時短営業の要請により従業員ひとりひとりの勤務時間が短くなっていると考えられます。

業態別①レストラン・カフェ

稼働人数の推移

勤務実績金額の推移

レストラン・カフェ業態では、4月時点で勤務実績金額が前年の16.9%まで急落、5月には稼働人数と勤務実績金額がそれぞれ前年比17.6%、9.9%となり、1度目の緊急事態宣言による影響の甚大さが伺えます。

その後稼働人数・勤務実績金額ともに、1度目の緊急事態宣言が解除された6月から回復傾向にありますが、7~12月においても前年比65%前後での推移となっています。2度目の緊急事態宣言下となった1月は、勤務実績金額は前月から減少しているものの、1度目ほどの急落は見られません。

店内の飲食・客席利用を主とした営業スタイルの店も多く苦しい状況となってはいますが、2度目の緊急事態宣言での自粛要請は夜間がメインとなっているため、もともと日中の利用客も多いレストラン・カフェ業態では影響を抑えられているようです。

業態別②居酒屋・ダイニングバー

稼働人数の推移

勤務実績金額の推移

酒類の提供が中心の居酒屋・ダイニングバーでは、5月に底を打ってから6月7月と多少の回復を見せましたが、以後も大幅な復調はなく稼働人数は前年比50%台、勤務実績金額は前年比50%を割っている状態が続いています。

大都市では度々「酒類の提供を行う飲食店」に対して営業時間の短縮が要請されており、大人数はもちろん飲み会自体の自粛ムードが続きました。年末にかけ新型コロナウイルスの感染が再拡大したことで、例年なら宴会が多く稼ぎ時の12月については、稼働人数・勤務実績金額ともに前年比の割合が全業態の中で最も低下しています。

2度目の緊急事態宣言・時短要請においても2020年5月のような落ち込みが予想されましたが、稼働人数が前年比50%弱を保っているところを見ると、休業ではなく時短営業で対応している企業が多いようです。

業態別③ファストフード

稼働人数の推移

勤務実績金額の推移

稼働人数・勤務実績金額ともに、1度目の緊急事態宣言の影響を受けた5月は目に見えて落ち込んだものの、8月以降は前年と同等またはそれ以上の水準まで持ち直しています。各種GoToキャンペーンの実施や一時的な感染者数の減少から外出する人が増えたこと、テイクアウト需要が低下せず高止まりしていることも影響していると考えられます。

2021年1月については、夜間の営業自粛要請から店内飲食は20時まで、それ以降はテイクアウト対応がメインとなっている影響からか、勤務実績金額が前年の89.7%まで下がっています。

業態別④デリバリー

稼働人数の推移

勤務実績金額の推移

デリバリー業態は他業態とは異なる動きを見せています。1度目の緊急事態宣言下であった4月・5月は中食需要が高まったことによる「特需」が発生、勤務実績金額が前年を上回って以降、前年超える高い水準を維持しています。10月以降は「Go To Eat(イート)キャンペーン」などで食事の選択肢が増えた影響もあってか少し落ち着いていますが、2度目の緊急事態宣言下である1月も含め、稼働人数・勤務実績金額とも前年比100%前後で推移しています。

まとめ

いかがでしたか?

今回は2度目の緊急事態宣言の中での、飲食業界で働くアルバイト・パート従業員の就業実態の変化を調査していくため、2020年3月~2021年1月の稼働人数・勤務実績金額の前年比較データをまとめました。

今回の緊急事態宣言下においても、中食・テイクアウトと親和性の高いファストフードやデリバリー業態へのマイナス影響は抑えられているようですが、レストラン・居酒屋など店内飲食に重きを置く業態では、時短営業による勤務実績金額への影響が大きく見受けられました。2021年3月までは緊急事態宣言が延長となっている地域も多く、これらの業態では引き続き厳しい状態が続きそうです。

カテゴリー: 調査記事